〈〈 謎に満ちたこの世界 〉〉
アリス高崎
ブログ担当 N です
「今日、なんか寒くないですか?」
1人の若者から通りすがり廊下でそう声をかけられました、
「そうだね」
と僕は何気なく答えました、
「なぜですか?」
「なぜって言われても…まぁ、秋になったからだろうね、」
「あー!、そうですよね!」
「うん、そうだね」
「ところで、秋になるとなぜ寒くなるんですか?」
「なぜって言われてもねぇ… 」
「『謎』ってことですか?」
「いや、別に『謎』とは思ってないよ。
むしろ当たり前だと思ってるけどね、」
僕にとって当たり前である事は、彼にとっては『謎』であるのかもしれません
「ところで…」
ここで彼がまた話を切り出してきました
「 『なぞにく』 って知ってますか?」
「なぞにく?」
「はい」
「知らないなぁ」
「 『謎の肉』 と書いて 【なぞにく】 と言うんですよ!」
「あー、なるほど『謎の肉』ねぇ、
ちょっと知らないなぁ」
「そういうのがあるんですよ」
「どこにあるの?」
「今日のお弁当の中に入っていました」
「えっ!今日のお弁当の中に?」
「はい」
「それはどんなふうに謎だったの?」
「肉が衣に包まれていたんですよ… 」
「うん、肉が衣に包まれていたんだね、」
「はい、そうなんです」
「ところで、
いったいその衣には、どんな『謎』が包まれれていたの?」
「実はですね…」
ここで彼は急に声を潜めて、僕の耳元で囁くように伝えてくれました、
「実は…衣の中に『謎の肉』が入っていたんです」
「謎の肉…?」
「はい、謎の肉が入っていたんです」
「どんなふうに謎の肉だったの?」
「実はですね…
それが、
鶏の肉なんだか、
牛の肉なんだか、
どっちかわからないくらい『謎の肉』だったんです」
「鶏肉か牛肉かどっちかわからない肉だったの?」
「はい、実はそうなんですよ」
「確かに、それは『謎』だね。
『なぞにく』だね、」
「はい、まったく『なぞにく』でした!」
彼は深く頷き、
ここで話が終りました
「ところで、」
また話が切り出されました、
「ところで…今日寒くないですか?」
最初の話に戻りました。
「寒いね」
「なぜですか?」
「いやぁ…
だからさっき言った通り…秋だから……」
「『謎』ですよね!」
…謎かなぁ…?
秋になったから、寒くなったって…謎かなぁ…
当たり前のような気もするけれど…
…でも…
う〜ん…どうだろう…
「…まぁ確かに…『謎』…かもね…」
「はい!、
まったく『謎』ばかりですよ!
この世の中は!!」
う〜ん…
なんとなくそんなような気もしてきたなぁ…
たしかにそうかもしれない
この世の中は謎に満ちている!!
( 前回の記事のタイトルが『衣と鎧』でした。
職員という責任の『衣』をまとった自分の中に、
その職員としての自分と、
無邪気でもろい、素の自分が
混在しているということを書いたんだけど、
ちょうど今回、彼が僕に伝えてきてくれたことが、
お昼の弁当の中に
『衣に包まれた肉』
があって、
その衣の中の肉が、
鶏肉なのか?
牛肉なのか?
どちらか区別のつかない
『謎の肉』
であったということなので、
内容が重なってて面白いなぁって思いました😊❣️ )