ロサンゼルスとサンフランシスコの中間地点に位置するパソロブレス。ロサンゼルスからは車で3時間半ほどです。
パソロブレスでの葡萄造りは1790年代後半にこの地に来たスペインの宣教師によって開始し、1882年に初めて商業用ワイナリーが設立されました。1933年*以降、多くのワイナリーが出現し、1990年代にはカリフォルニアの重要なワイン生産地として成長しました。
この地域は一年を通じて暖かい気候で、カベルネソーヴィニョンなどの主要な品種の他、ジンファンデルやスペイン・イタリアの土着品種、フランス・ローヌ地方の品種など、60種類を超える葡萄が生産されています。
現在約200社ほどのワイナリーがあると言われています。
*アメリカでは、1920年から1933年まで消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が法律で全面的に禁止されていました。
(マップのダウンロード:こちらから)
パソロブレスのおすすめワイナリー7軒:
Tablas Creek Vineyard
9339 Adelaida Rd,
Paso Robles, CA 93446
アメリカのワイン輸入業者 Vineyard Brands とフランス・ローヌ地方の老舗有名ワイナリー Chateau de Beaucastelが手を組み、カリフォルニアでローヌ・スタイルのワイン造りを実現することを夢に設立されたワイナリー。テイスティングルームにはワイン造りの歴史や使用する葡萄の説明などが展示されている。この地域のワインについて詳しく学びたいという方には特におすすめしたいスポット。
2777 Hidden Mountain Rd,
Paso Robles, CA 93446
1997年にナスダック上場を果たしたテクノロジー企業DAOUシステムズを立ち上げたダオ兄弟が設立したワイナリー。レバノン出身の彼らは、内戦から逃れるため、両親と共にフランスに渡り、後にアメリカへと移住。1998年に会社を売却。土地を購入しかねてからの夢であったワイン造りに専念。高品質なワインはもちろんのこと、素晴らしいアメリカンドリーム・ストーリーが注目を集めている。
(photo: @daouvineyards)
2900 Vineyard Drive,
Templeton CA 93465
有名な醸造家ラリー・ターリーさん*がジンファンデルとプティ・シラー品種を中心に展開するワイナリー。「ジンファンデルの最高峰」と評され、コレクターワインとして知られる。ワインを購入するには、①ワイナリーのメンバー登録を行い、②専用のメーリングリストを通じた注文、を行わなくてはならない。テイスティングルームの予約もオンラインのアカウント作成が必要。
*ヘレン・ターリーさんの兄弟。ヘレンさんは 世界的なワイン評論家ロバート・パーカーさんが「ワインの女神」と呼んだ伝説的な醸造家で、現代のカルトワインブームの生みの母と言われている。
L’Aventure Winery
2815 Live Oak Rd,
Paso Robles, CA 93446
フランス語で「冒険」を意味する。世界的なワイン評論家ロバート・パーカーさんが「パソロブレスで最も感動的な生産者」の1つに挙げ、ワイン・スペクテイター誌が「品質革命者」と評価した。フラッグシップの「Estate Cuvée $108」はシラー、カベルネソーヴィニョン、プティ・ヴェルドの3品種のブレンド。パソロブレスらしい力強さと果実感を生かしつつ、複雑味があり余韻の長い赤ワイン。
3885 Peachy Canyon Rd,
Paso Robles, CA 93446
家族経営のブティックワイナリー。ワイナリー名「Law」はオーナーの苗字。高品質な赤ワインの生産者として知られ、価格も$100を超えるものもある。フランス・ローヌ地方の品種であるシラーやグルナッシュを中心としたブレンドワインを得意とする。テイスティングルームはコンテンポラリー建築で、開放的な空間が心地よい。
(photo: @lawestatewines)
3810 HWY 46 East,
Paso Robles, CA 93446
猪のラベルが印象的なワイン。デザインは、イタリアの著名な彫刻家ピエトロ・タッカ氏が制作した「幸運を招く仔豚(イノシシ・ポルチェリーノ(Il Porcellino))」を意識したもので、ワイナリー内にも写真スポットとなっているレプリカ像が存在する。レプリカ像は全世界に点在する。アメリカ国内ではシラー品種100%のワインを初めて生産したワイナリーとして知られ、その他フランス・ローヌの品種を得意とする。$30前後のものが多く、コスパの高いワインとして人気。
3443 Mill Rd,
Paso Robles, CA 93446
1999年に起業家のロバート・ホールさんが設立したワイナリー。南フランスに旅をした際に出会ったワインをアメリカで造りたいと思い、気候と土壌の条件が一致するパソ・ロブレスを選んだ。現在のオーナーはジェフ・オーニールさん。葡萄畑を見渡せる開放的なパティオで試飲ができる。事前予約制の「ローカル料理とワインのペアリング」もおすすめ。
(photo: @roberthallwinery)