さっちゃん二度目の抱卵成功

2023年7月11日

さっちゃん二度目の抱卵成功

　というか、要するにダンテがやることやってたのね、ということに尽きる。雌鶏というか、鳥類は鶏に限らず、無精卵でも抱卵するらしいから。ライチョウを増やす活動をしていた大学教授が言ってた。他の山から飛来してきたたった一羽の雌のライチョウ。彼女が抱卵を始めたら動物園で飼育している有精卵と取り換えようと考えた、と。

　抱卵は本能であって、ヒヨコが孵るかどうかはまた別なんだろか。

　タム子の卵はすべて無精卵で、今年の春はタム子だけがお母さんになり損ねた。天ちゃんの卵も孵卵器を使ってようやく2羽だけ孵った。

　引き換え、良いのか悪いのかダンテの子は順調に増え続けている。

　ナミちゃんのあっためた子、ジェーンとアビーは順調に成長しているが、アズールの状態はどんどんひどくなっている。身体が痙攣して思うように餌も食べられず、水を飲もうとするとひっくり返るので、栄養状態がそもそも悪いようで、身体が小さい。ヒトが作業する際にはハウスの扉を開けて鶏たちを外に出してやるのだが、初めのうちはアズールの傍にいたナミちゃんも、今では、どんなにアズールが鳴いても戻って来てくれなくなった。アビーですら今でもナミちゃんの姿が見えなくなるとすごくぴよぴよ呼ぶのだが、ナミちゃんは無関心。そもそも、他の雛たちは強制的に親離れさせられていても、それぞれ元気にたくましく生きている。そろそろ親離れ・子離れの時期なんであろう。

　6月の後半（26日）、天ちゃんの雛があと数日で生後一か月になる頃、ジェーンがやたらとナミちゃんに交尾しようとするようになり、うっとうしいのでペンペンの群れに移動した。それから、ついでに天ちゃんの雛をダンテの群れに移動した。

　現在、ペンペンの群れにはボスと天ちゃん、タム子、トニー、マクギー、メルハ、ラスティ、そしてジェーンと８羽。小屋の広さから考えてこれくらいが限界かと思う。

　トニーたちはしばらく突かれまくっていたが、今では落ち着いて、更にジェーンもトニーのグループに受け入れられて（最初はメルハやマクギーにも突かれていたが）ボスの統率のもと、しっかりとした群れになっている。

　ペンペングループは群れとして機能するので、早い時期から外遊びをさせられるようになっていた。

　対してダンテグループは、ボスが役に立たないので、それぞれがそれぞれにグループを構成して行動している。ナミちゃん親子、かしわちゃん３羽、天ちゃんの雛２羽。そしてさっちゃんは抱卵中。

　ダンテは何かを見つけて呼んだ際、ナミちゃん親子には譲るが、かしわちゃん達や天ちゃん雛が寄ってくると突くようになった。なんやねん。

　最近では、ナミちゃん親子はアズールは外まで出てくるがあまり動けずハウス入り口付近で隠れるように遊んでいて、ナミちゃんとアビーが一緒。天ちゃんの雛ダッキーとネオンは、南部かしわ鶏が見た目天ちゃんに似ているせいか、ナミちゃんが突くからか、いずれ、かしわちゃん達を追っかけている。姿を見失うとぴよぴよとかしわちゃん達を呼んでうるさいので、その都度、かしわちゃんを天ぴよの傍に誘導している。

　南部かしわ鶏のシロちゃん、きーちゃん、ももちゃんは、足が長く身体が大きく、動きが早くてちょこまかし、ポーリッシュに似ているが、かしわちゃん達は人馴れしているのであまり問題はない。そして、一番人馴れしているのはシロちゃんで、この子はうっとうしいほどだ。草刈りや草抜きをしていると、手元に寄ってきてミミズを探す。鎌を持っているときなど危なくてうっかり作業が出来ない。足元にいるので、踏みそうになったりもする。きーちゃんも比較的近くまで来るが、ももちゃんはほぼ近寄って来ない。

　それでも、常に３羽一緒にいるので、シロちゃんきーちゃんを移動するとももちゃんもついて来るので、まぁ、今のところそれほど困っていない。

　そして、さっちゃんである。

　抱卵始めたらしいと思って、有精卵であれば孵るであろう日をカレンダーに丸印を付けていたのだが、一日ズレていたらしく、今日ハウスのさっちゃんをなんとなくのぞき込んだら、黒いヒヨコが顔を出していた。

「ええええええええっ( ﾟДﾟ)」

　さっちゃんを持ち上げてみたら、他に２羽もいた。頭が茶色の子と、白い子。白い子はまだ羽がしっかり乾いてなくて、たった今孵りましたという感じ。

　慌てて共同運営者を呼んで来て、雌雄を調べてもらったが、やはり羽がもふもふでよく分からない。それでも、白い子以外はもしかして雌かなぁ、と。白い子は、声がでかいので雄かも知れん、という。