「また、こちらであったときはよろしくな 」 | 幻想写真作家 七色アリスの幻想劇場

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「また、こちらであったときはよろしくな 」



澄んだきれいな果てしない蒼の空間の中
たくさんの人のカタチをした物達がふわふわと眠っている


僕はもう先に眠るね
といってとなりにいた彼はもうずいぶん先に旅立ってしまった

彼が今回与えられたのは
たった5年の命だった

生まれる意味なぞあるのだろうか


楽しみ、苦しみ、悲しみ
のある世界へ


またこちらへ来たときはよろしくな
といってとなりにいた彼はもうずいぶん先に旅立ってしまった

彼に与えられた前回の命は
87年

ふわりふわりと蒼の空中に僕らは浮きながら
ずっと87年間のハナシをゆったりきいていた

87年分の
楽しみ、苦しみ、悲しみをただ淡々と


またあちらの世界の思い出話でも語ろうではないか

ふわりふわりと蒼の空中に浮きながら
僕は眠りという旅立ちをまつ


ああ、そうだね
またこちらであったときはよろしくな

またその時まで
おやすみ

うん おやすみ
おやすみ


2011「Aliceの幻想劇場」