さようならは言わない | 続・阿蘇の国のアリス


「今日からよろしくね♪」


「モコたんかーさんがくれた
ハグドッグ...、
アリスにそっくりだね♪」


3月のママの外来は、2年間
寄り添ってくれた担当医との
別れの日となりました。


「3年で二人の先生と
お別れするなんて...、
さみしいし、不安だな」

ママの抗がん剤治療は、
まもなく3年を
迎えようとしています。


「ただいま、アリス...」




診察の後、熊本城に行きました。


3年前、
思いもかけない
彼女の病名の突然の告知に、
ぼくたちは激しい衝撃を
受けました。


しかし、
あんなに眠れない
日々が続いたのに、
いつのまにか
眠れるようになりました。


アリスを亡くしてからも、
彼女は自分を責めて
泣いてばかりいました。


でも、
時間が経つにつれ、
本当に少しずつですが、
寂しさも悲しみも
だんだん和らいできています。


これもまわりの人々に助けられ、
励まされて慰められたおかげです。


人と人とのつながりって
本当にありがたいですね。


将来、病気に掛かる
仔犬や仔猫たちが
どのような家族のもとに
いくのかは、まったくの
神様の気まぐれでしょう。


しかし神様は、
きっとこの家なら
この子を立派に
育てていけるだろう、
という優しい
ママやパパのもとに
その子を届けたはずです。

だから、
ママの優しさも、
パパの強さも、
十分その子にも
神様にも伝わっています。


そして、
短い命だったとしても、
みんなに愛されたその子は
幸せだったと思います。


ママがいつまでも自責の念に
とらわれ続けることは、
何よりも亡くなった
バースくん、めいちゃんを
悲しませることになります。


心の中のバースくん、
めいちゃんには、
いつもママの笑顔を
見せてあげてくださいね。


悲しみを乗り越えるというのは、
その子を忘れることではなく...


アリスを、
バースくんを、
めいちゃんを、
亡くした悲しみに...


さよならを言うこと...。


最後に、
アリスの戦友の
愛するロコちゃん、ココちゃん、
お誕生日おめでとうございます。


アリスもお誕生日おめでとう。


もうひとりの戦友、
ひめちゃん、明日も目覚めようね。


ぼくたちの物語は
もう少し続きます。

よろしかったら、
4月からは
「阿蘇の国のクララ」を
開いてください。

「続・阿蘇の国のアリス」
の読者の皆さま、
本当にありがとうございました。

「さようならは言わない...
かわりに、
あなたのことが、大好き!」