夢の国のアリス(1) | 続・阿蘇の国のアリス
とてもいい気持ち...

ふわふわと宙に浮いている。


上下も左右もない。

風船のように、
あたたかな上空を漂っている。


きっとこれは夢。


ひさしぶりの飛ぶ夢。


(ママ、火葬早すぎ...)

「だって、イケメン店長が
早くしないと大型犬は腐るって
いうんだもの...」

(く・さ・る...、チッ)


ちょっと回転してみよう。

試しにすこしだけ空中を
移動してみた。


足元には
地平線の彼方まで続く
ゆるやかな山の稜線。

もしかして、ここは...

阿蘇の国?


...ゴールデンコテージ?


ケイコママ、
ミナコおねえちゃん、
お花をありがとう。

ムーちゃん、また会おうね。




「ジュジュかあさん...
まだかな」




「きた!」


(かあさん...)


(かあさん、かあさん)


私は不自由な身体を思いだし、
思わず歓声をあげた。

夢のなかでなら、
思いきり駆けることも、
こうして抱かれることも
自由なんだ。

「アリスちゃん、
アリスちゃん、アリスちゃん...」


それは不思議な、
けれども楽しい夢でした。