今ではぼくにもわかる。
数秒で空の遥か高みから
舞い降りて、
弱虫のぼくの胸に
クラッシュする。
それが、きみの命だったんだ。

これからはいっしょに暮らそう。
ふたりでひとつの魂になり、
幸福でママを抱きしめるんだ。
「アリスちゃん、悲しいよ...
これからどうしたらいいの?」
(狸寝入り...)

(バイバイ、阿蘇の国。
楽しかったよ!)

「アリス、がんばった...」
(...ありがとう、
イケメン店長、釣りキチ店長)

「戻ってこいよ、アリス」

「こんなに軽くなって...
がんばったね」
(最後にペロペロちょうだい)

(テヘッ♪)

(みんな、バイバイ)

(みんなのこと、大好きだったよ。
ほんとうは...)

(死にたくなかったんだ)

(でも...これも宿命かな)

「アリスちゃん、愛してる」

「愛してる、愛してる、
愛してる、...」

(ママ、愛してる)

(愛してる、愛してる、
愛してる、...)

午後2時頃

「僧侶も泣いてる...
アリスちゃんの魂、
手招きしなきゃニャ」

「アリスおねえちゃん、
ありがとう」

「ありがとう」

「帰ってきたよ」


この世に生きていると
短命は不幸で、
長寿が幸せだと
単純に考えがちです。
でも...

ふだんの旅でも
短くても充実した旅もあれば、
長くてもつまらない旅
と思うことがあります。

人生も同じで、
長短ではなく、
どれだけ込めたか
なのではないでしょうか。

「これからは、
いっしょに生きようね♪」
「うん♪」



「アリスママには、
ぼくたちがついてる」
