夢の国へ | 続・阿蘇の国のアリス
たぶん、親が死んでも、
これほどには悲しくありません。

親が死ぬのは順番だけれど、
犬の寿命は数年だから。

コロコロの仔犬の時から、
ヨロヨロになるまで、
人の7倍の速さで彼女らは
生き急ぐのです。

しかしこれでいいのかもしれません。

仮にこれが2倍であると想像すると、
その別れの悲しみたるや、
2倍ではすまないはずですから。

「アリス、今どこにいるの?」

と問いたくなるのが抑えられません。

イノシシ林にも、
アリスのドッグランにも、
桜のババにも、
ましてや、
横たわるアリスのなかを探しても、
彼女はいないのです。

でも、心当たりはあります。

それはぼくの胸です。

ぼくの胸が彼女の墓なのです。

ぼくの心臓が打ち続ける限り、
きみはぼくの胸で眠るといい。

ぼくは阿蘇を旅して、
きみにたくさんの景色を見せてあげる。

おいしいものをたくさんたべて、
きみにその味をわけてあげる。

だから、ぼくはどこまでも生きる。

きみが愛するママを守るためにも。

アリス、最後にもう一度、
きみを抱きしめてもいいかい。

そして、永遠のキスをしよう。

アリスの葬儀は今日、
2月16日(金)午後1時から、
火葬は、午後2時からに決まりました。

今日なら、みんなが来てくれるからです。

アリスが大好きな友達です。

アリス、みんなに一言、どうぞ。

世界地図を描いたら、
夢の国の始まりです。