ペットの厄 | 続・阿蘇の国のアリス
ある本を読んでいたら、
こんなことを書いていました。


飼っているペットの
具合が悪くなったり、
病気や事故などで亡くなると、

自分の身代わりになったと
考える人が多いが...


飼い主の厄を引き受けて
ペットが亡くなることはない。


動物は自己保存本能の強い生きもの。

なかでもペットは、
飼い主に対して献身的。

それも自己保存本能のため。

飼い主がいないと
自分は生きられないと考えている。


だから、飼い主より先に
自分が死のうとしてしまう。


飼い主に
気になる不調があるならば、
病院で診てもらう。

ペットの世話が
しにくくなるような
環境や生活の変化が
あるかもしれない。

人生の節目のサインを、
ペットが知らせてくれている
のかもしれない...

という内容のものでした。


先日、
街にいって
「野鳥用エサ場」を買いました。

ジュジュハウスばかりに
野鳥がいってしまって、
ゴールデンコテージには
メジロ1匹さえ来ないからです。

ママにはチューリップを買いました。


生まれたての
子ジカが現れたのは
その帰り道のことでした。

ゴールデンコテージに
近づいたところでした。

「子ジカだ!」、
ぼくはささやくように叫びました。

やがて子ジカは
草むらのなかに
姿を消していきました。

ぼくは祈るような気持ちで
あたりを見つめていました。


ねぇ、アリス。

きみがママよりも先に
咳を始めたのは、

ママの肺がんを察知したから?

ママの命に危険が迫っていたから?

それとも、

きみは命を懸けて、
そのことをママに
伝えようとしていたの?

...教えて、アリス。


ママは生きるから
だいじょうぶだよ。

だからアリスも心配しないで、
生きなさい。

もっと生きなさい。


子どもから大人へと成長し、
やがて死にゆくアリスに
自然はさまざまな
メッセージを送ってくれます。

ぼくたちが見た子ジカは、
いったい何を語りかけてきたのでしょうか。