峠を越えて、
「瑞季」さんから始まりました。
「いつのまにか、12月だね...」
「3人で、よくここまでこれたね」
「ほんとうだね、不思議だね」
「だって、不思議の国のアリスじゃない」
「ちがうよ!阿蘇の国のアリスだよ」
「そっか」
「ワッハハ!」
それから、
パパとママは会社に寄って
花を植えました。
パパはマンガも描きました。
大好きな矢吹丈の絵です。
マンガを描いていると
心が落ち着くのだそうです。
「四頭身のにせモンです♪
12月も続・阿蘇の国のアリスを
よろしくお願いいたします」
「さあアリス、きょうの晩ごはんだよ♪」
「ちゃんとたべてね...」
この人はなぜ
自分にこんなによくして
くれるんだろう...
パパは歩き疲れた私を、
力いっぱい抱き締めました。
目がまわるような幸福感が
私の身体を満たしました。