水割りをください | 続・阿蘇の国のアリス
10月8日。

清栄山


その日が
ジュジュくんにとっての
初登頂となりました。

「とうさん、次は根子岳だね」


「アリスちゃんが待ってる、帰ろう!」


「おかえりなさい...
いい山だったでしょう?」


山のぼりの後、
「夕陽の里フェスタ」
が開かれている、
五ヶ瀬ワイナリーまで行きました。


あの日、
キアラちゃんと一緒に
奇跡のような夕陽を見たところです。


「何か、たべものありますか?」


私は車の中でお昼寝をしていました。


「ほら、あそこ!」


「さっきのぼった、清栄山が見える」






「五ヶ瀬ワイナリーと言えば...」


「樹樹(じゅじゅ)だね♪」




「試飲してみようっと」


「私も♪」


「これ、イケてる」


「これ買って、山ぶどうジュース♪」


その頃、
パパの大好きな歌が始まりました。


※堀江淳さん


水割りをください涙の数だけ
今夜は思いきり酔ってみたいのよ


ふられたんじゃないわ
わたしがおりただけよ


遊びの相手なら誰かを探してよ
ゆらり揺らめいて
そうよあたしはダンシングドール


踊り疲れてももう何処へも行けない
ねぇ..キラキラと輝くグラスには
いくつもの恋が溶けてるの


水割りをください涙の数だけ

「ジュジュかあさん、
ジュジュくんのジャーキーをください」


あいつなんかあいつなんか
あいつなんか
飲みほしてやるわ


「かあさんとぼくは本気だよね?」

ジュジュくんはそう言うと、
かあさんの胸に
頭をもたせかけました。


「のんママさんにも歌ってほしいな」


夢のようにたのしい一日は、
気がつくと夕方になっていました。

目のまえの青い芝生には
駆けまわる子どもたちがいて、
ホーちゃんは
初めての草スキーを
たのしんでいます。


夕陽は見れなくてもいい...
もう幸せだから。

でも、もし眠れなかったら、
ずっと開けてないワインを飲もう。