生きたい!! | 続・阿蘇の国のアリス
「おはよう、ヤキトリ、ミズタキ♪」


「おはよう、アリスちゃん♪
昨夜は何ヵ月ぶりかに
声を出したんだって?コッ、コッ」

「うん、鳴いたよ」


「パパも私もびっくりしたわよ」

「テヘッ♪」


ママが「あそ望」で水を飲んだら、
ランチの時間です。


「そばの花がきれい」


※だっこ


「ぼくは、これ」


「私は...これ」


「私のバタートーストはまだかな」




「...遅いぞ(ワン)!」


「また鳴いてくれたね。ごめんごめん」


それから、私たち三人は
「アスぺクタ」の原野に行きました。


あれ...?どうしたんだろう?

身体が動かない。

昨夜は、
まるで電池が切れたように、
手足から力が抜けていったの。


冷たい大きな手に掴まれて、
水底に引きずりこまれて
行くようだった。

シンと静まりかえった頭の奥で、
「死ぬのかな」ってうっすら思ったの。


ゆっくりと、ゆっくりと、
暗闇に落ちてゆく。

その時、ふとパパとママの顔が浮かんだの。

このまま自分がここで死んだら、
パパやママはどんな思いを
するんだろう?


私はひとりで生きているわけじゃない。

命は自分だけのものじゃない。

だから、簡単に諦めるわけにはいかない。

生きなきゃ。いや、そうじゃない。


生きたい。

「生きたい!!」

その意志が、重い口をこじ開けたの。