「アリスちゃん、そろそろかな...
コッ、コッ。クッ、クッ。」
「アリス、トイレに行こうか」
「おはよう♪ヤキトリ、ミズタキ」
「あっ、アリスちゃんがきた♪
コッ、コッ。クッ、クッ」
「フレ、フレー、アリスちゃん!」
ビールのようなオシッコをしたら、
旅の始まりです。
「いってらっしゃい、アリスちゃん。モウ♪」
「パパ、今日はどこ?」
「カルデラ・バッチョさんかな」
幸せ。
私は、今、
身体中に染みわたるように
そう感じました。
ママとパパと出会って、心から、
人を愛することを知りました。
「アリスちゃん♪」
「ジンジャーちゃん♪」
穏やかで悔いのない、
一生誇りに思える
さよならの時間が持てた。
家族がいる、友達がいる。
信頼できる人たちがいて、
旅ができる。
失ったものばかりを嘆いて
絶望したこともあったけど、
私は、何も失ってなんかいなかった。
やっとわかった。
今も、そしてこれからも、
幸せは、それを感じる心の側に在る。
その時、私の頬に、
一筋の涙が零れました。