「うん、温まってる」
「酵素の国のアリスちゃんです♪」
「ママ...明日は、
リーちゃんとムーちゃんに
会いにいきたい...」
翌日。
「よし、酵素菌の準備もできた」
「アリス立て、立つんだアリス!」
「あしたのジョーじゃないんだから、
ムリです...チッ」
リーちゃんとムーちゃんは、
私にとって一番身近な友だちです。
そのリーちゃんが、
8月7日、虹の橋にいったと、
そよ風のお姉さんから知らされました。
「アリスにとっても私たちにとっても、
とても大切な友だちだったのに...」
その日知らせを聞いたママは、
朝方までシクシクと泣いていました。
それから何日かして、
ようやく私たちは
「ボワ・ジョリ」さんに行く
決心がついたのでした。
「アリスちゃんが来た♪」
「元気になってね...」
「パンをください♪」
リーちゃん、悲しいよ。淋しいよ。
私より先に逝くなんて、ずるいよ。
見てごらん。
幼なじみのムーちゃんが
リーちゃんのことを
今でも探してるよ。
ミナコお姉ちゃんも探してる。
どこに行ったのリーちゃん...。
いつも一緒に食べていたパン、
今日も一緒に食べようね。
私にとって、
死ぬにはちょうどいい
場所なのかもしれない。
「リーちゃんの隣で、私、眠りたいな」
「アリスちゃんは、まだ、逝っちゃダメだよ」
ミナコお姉ちゃんは首を横に振り、
私に言いました。
「教えてリーちゃん、
虹の橋はどこにあるの?」
「それはね、
アリスちゃんが一番大好きな場所だよ」