太もものうえ | 続・阿蘇の国のアリス
深夜、
アリスのハアハアが止まりません...

そんな時は、ひとつずつ、
原因を消してゆきます。

たんが喉に詰まっていないか。

のどが渇いていないか。

オシッコがしたいのか、それともウンチ?

もしかして、お腹が空いた?

マッサージはしたしな...。

しかし、
その日のアリスは、
いろいろやったあとも
ハアハアが止まりませんでした。

「いよいよ限界がきたかな...」

途方にくれながらも、
アリスを吊り上げて
立たせてみました。

すると、
歩けない足でトボトボと
部屋の中を歩き始めました。

そして、
元気な頃の定位置に、
バタンと倒れ込むように
腹ばいになりました。

...元気なころの定位置。

そこは、
ぼくの太ももの位置でした。

アリスがいつも頭をのせて、
撫でてもらっていた場所でした。

そうか、
ここに来たくて、
ハアハア言ってたんだね。

気づかなくてごめん...。

おいで、ぼくのそばに。

おまえの大好きな場所に。

やがてアリスは、
ぼくの太ももの上にあごをのせ、
スヤスヤと寝息を立て始めました。

いったいおまえは何回、
ぼくを泣かせるつもりだい?