「クッ、クッ、クッ、クッ~♪」
「クッ、クッ、クッ、クッ~、ニ羽の鶏~♪」
「アリスちゃんに、テッテレ~♪」
「ミズタキ...!?生きてたの、
どこにいたの!?」
「私には、
おうちの庭が狭すぎたの...
裏山でキジのケンケンと
暮らしていたのよ、クッ、クッ」
「なんだか、強くなって帰ってきたわね」
「よかった...グスン」
私の調子も良いし、
梅雨の合間をぬって
午後に南阿蘇を出発しました。
「ねぇパパ。きょうはどこに行くの?」
「日本一美しい村」
車が宮崎県に入って、
五ヶ瀬町を通過した時。
私は確信しました...
「そうか、椎葉に行くんだ...」
途中、猫10匹と、
高千穂牛3頭と暮らしている、
猫ひろとし店長に会いました。
「アリスちゃん、
ヤマメ持って帰ってきてニャ~」
国見トンネルを抜けると、
そこはもう椎葉村。
パパとママは、ここで、
昼食をとりました。
椎葉のごちそう...
そば、菜豆腐、煮しめ、
ヤマメなどが並びます。
2015年12月に
高千穂郷・椎葉山地域が
世界農業遺産に登録されました。
焼畑で蕎麦やヒエ、
大豆などの雑穀を作り、
刈った草で牛を養い、
木を切って椎茸を栽培し、
また木を育てる。
川で魚を獲り、山で相棒の犬と猪を獲る。
山、森、川、大いなる自然の中で
村の人たちがそれを切り開いて
形を変えてしまうのではなく...
数年のサイクルでまた森に戻し...
山を守るという環境を
守り続けてきたことが評価されたのです。
「みんな、元気にしてた!」
「アリスちゃん、また来れたんだね!」
「うん♪」
「さあ行くぞ、アリス!」