めいちゃん16歳 | 続・阿蘇の国のアリス
「コッ、コッ。アリスちゃん、
なぜそんなところにいるの?」


「早くボンジュールに行って、
みんなをビックリさせたいの」


「テッテレ~♪」


「あれ、また歩けるようになったの!」


「大成功~♪」






「後で、あか牛もあげるね」


「パクッ♪」


「これは試作品、食べてみて...」


「...トマトソースの材料は、
無農薬トマトだけで作ったのよ」


「私もたべたい」


「アリス、そばにおいで。
パパは絶対におまえを離さない...」

「どうしたの、いきなり」


「ここでいっしょに、
クリスマスを祝っためいちゃんが...
30日に旅立ったんだ...」


「かわいい、かわいい、めいちゃんが...」


「...そうだったの」




がんばれ!では済まない、
希望の見えない人たちがいます。


愛犬を失くした親がいます。

親を失くした愛犬がいます。


そのことをぼくたちは
肝に銘じておかねばなりません。


「スヤ、スヤ...」


「めいちゃん...。
めいちゃんのママ...
いっぱいいっぱい泣いてたよ」

「ごめんね、ママ」


それでも人々は、
めいちゃんママさんは、
重い身体を上げて歩みだすでしょう。

そうすることでしか
めいちゃんは
とむらわれないし...。