トクナガノラクロ | 続・阿蘇の国のアリス
土曜日...


南阿蘇のアスぺクタでは
「ロックフェスティバル」が
開催されました。


他にも、
「南阿蘇庭めぐりオープンガーデン」や
「アートフェスタ」も開催されていて、
村中はどこもかしこも車だらけに
なっていました。


「アンディままさん、出たよ♪」


「コッ、コッ。よかった...」


私のまわりも、
そして私自身も、
どんどんいろんなことが
起こっているようです。


その日は急遽、
熊本のペットクリニックまで
行くことになりました...。

寝返りができなくなって、
ご飯も食べなくなった私を、
パパとママが心配したのです。


かかりつけの
ペットクリニックまでは
おうちから2時間半程かかります。

途中、休憩しながら少しずつ進みました。


3時間して、ようやく、
ペットクリニックに到着しました。


最初に体重を計りました。


4月のときより、
3キロも減っています。


パパは最近の私の容態を、
先生にくわしく伝えた後、
質問をしました。

「アリスの右目が
ふさがってしまいました。
右の鼻の穴もふさがってしまいました。
手術して目が見えるように、
呼吸ができるようになりませんか?」

先生の答えは「ノー」でした。

「全身麻酔に耐えられる力が
アリスちゃんにはもうありません...
生きていることが奇跡なんです」


「なんで、こんないい子が、
脳腫瘍なんかになるんだろう...
神様はちゃんと見てくれてるのかな...」


私が顔を上げると、
ママの目は真っ赤でした。


パパが先生に言って、
点滴とステロイドの
注射をしてもらいました。


病院を出ると、
パパはママをうなぎ屋さんに誘いました。


ママの外来が近づいたのです。


「ママ、たくさん食べてね...」


「私もがんばって食べるから...」


「一緒に生きようね」


その日の夜...。

私は持ち帰りの
うなぎの肝焼きを食べたあと、
寝返りをしました。

「みんな、応援してくれてありがとう。
あなたが、大好き」


あっ、そうだ。
うなぎの徳永で思い出しました。
その後のノラクロですが...

あれから、
狂犬病の予防接種と
フィラリア予防注射を
受けたそうです。

トクナガくんがあまりにも
可愛がり過ぎるから、
トクナガくんの姿が
ちょっとでも見えないと、
すぐに鳴いてしまうらしくて、
お風呂もトイレも
一緒に入っているそうです。

寮の仲間は、
ノラクロをトクナガくんと間違えて、
「トクナガくん」と呼んでしまったり、
トクナガくんをノラクロと間違えて
「ノラクロ」と呼んでしまうらしくて、
今では名前が逆になったそうです。

トクナガくんは会う人会う人、
弟といって紹介しているそうで、
そのうち戸籍も一緒になると思います。