ハイジのブランコ | 続・阿蘇の国のアリス
村中の田んぼが水を満々とたたえ、
その中を機械や人が動いています。


かきまわした田の水が川に入り、
川の水は濁っていました。


大気の中に泥の匂いが漂い、
懐かしい思いに
かられてしまいました。


ママにとってのアルムの山は、
故郷の「伐株山(きりかぶざん)」です。


私の願い紙を、
「高塚さん」に貼ったあと、
その伐株山に車で上りました。


「よかったね...」


「三人でまた来れて」






「久しぶり...ハイジのブランコ♪」


「口笛はなぜ
遠くまできこえるの~♪
あの雲はなぜ 私をまってるの~♪」


「おしえて おじいさん~♪
おしえて おじいさん~♪
おしえて アルムのもみの木よ~♪」


夕日が沈む頃...


ママが私の手をにぎりました。


にぎり返す力はなかったけど、
そのあたたかさだけで
力をもらった気がしました。


「ねぇママ、私、またここに来たいな」


「きっと、来れるよ」