遠くの親類より近くの他人 | 続・阿蘇の国のアリス
朝、
白水そばなか津さんからの電話で、
目が覚めました。

「そちらは大丈夫でしたか?
あとかたづけにいきましょうか」


大丈夫ですよ。
と、返事をして、
眠ろうとすると、
今度は、Chico Cafeさんから。

「心配してました...」


続いて、
イケメン店長からも。

「靴を買ってあげますから、
サイズを教えてください」

わたしたちは、
眠ることをあきらめ、
旅に出ることにしました。

行先は、黒川温泉です。


黒川温泉は、
14日の地震では
被害がなかったのですが、
16日の本震で、
一部の旅館に
ポンプの損傷がでたようです。


「御客屋」さんに行くと、
御前の湯(男湯)を、
家族風呂として
無料開放してくれました。


ママとパパがゆっくりと、
歴史ある名湯に
浸かっている間、
わたしは車の中で待ちました。


車の中から通りに
目をやっていたのですが、
きょうは、ひとっこひとり
通りませんでした。


車で帰っていると、
にせモンから電話がありました。

「あ~の~、
パンは入りませんか?
72個入ったパンを
4ケースもらったんですけど、
近所には全部配ってしまって、
余ったんですけど」


最後の電話は、
ママの母親からでした。

母親
「すぐに家に帰ってきなさい」

ママ
「どうして...」

母親
「家が竹にやられよる!
家の中にもタケノコが生えてきた。
一緒に掘らんと、
家が竹藪になってしまう」

ママ
「にいちゃんがおろうもん」

母親
「にいちゃんはつまらん!
今日も痛風のくせに
ビールを飲みよる」

遠くの親類より近くの他人か...。