最近読んだ本の感想を書いてます。あくまでも、私個人の感想なので、捉え方が違ったり好き嫌いもそれぞれかと思いますのでご了承下さい。
『名探偵のままでいて』
小西マサテル 著 宝島社
実は読了したのは結構前になります。しかし感想を書いておりませんでした💦余裕なかったのかな?
こちらの作品は、第21回『このミステリーがすごい!』で大賞受賞したそうです。
それで読んでみよう📖となったわけではなく、謎解きをする探偵が「認知症の祖父」というのに惹きつけられました。ただ、私がよく見聞きするアルツハイマー型ではなく、幻視や記憶障害がおきるレビー小体型認知症という設定でした。
主人公の楓は小学校教師、祖父も校長まで勤め上げた生徒から慕われる先生だった。そして二人ともミステリ好き。特に古典ミステリを愛している。
作者も古典ミステリが好きなのだろう、各話に名作ミステリを思い出させる趣向がある。
私は全てのミステリを読破していないのでわからない話もありますが、そうなると元ネタともいえる古典ミステリを読みたくなりました。
楓の周りに起きる謎を何気なく祖父に話していくうちに祖父がまるで病気ではないような推理で解決に導いていきます。
「楓。煙草を一本くれないか」
「楓はこの材料から、どんな物語を紡ぐかね」
毎回祖父からのこの言葉が出ると謎解明に入っていくところなんてまさしくミステリのザ・定番!な感じがします。
そして、話は楓の母の死についても解き明かされていきます。
楓の同僚である岩田先生や岩田先生の後輩でミステリ好き劇団員の四季。この3人のやりとりと恋の行方も気になるところ。楓はどちらを選ぶのか?
読者を悩ませる終わり方も絶妙でした。