【11月15日(金)】
この日は毎年恒例、ココファームワイナリー収穫祭の前夜祭。
昨年に引き続き、足利市にある中華料理のお店“粋園”さんにワインラバーが集合しました。広島からの遠征組3人、東京から3人、お隣の佐野市からボクの計7名です。
料理はいつものようにおまかせコース。メニューには一切載ってない、スペシャルなものばかり。
まずは前菜いろいろ。上のほうから人参のクミン風味ピクルスとキハダマグロ、北海道カボチャのサラダ、牛蒡のピーナッツ和え、長芋のソテー、上州高原鶏の高知産生姜ソース、ピータン白和え、しめじのビネガーマリネ、桜姫鶏レバーのコンフィとゴーヤ。様々な食材と風味が楽しめる、酒の肴には最高の品々です。
ワインは店主のおすすめを何本か出してもらい、その中からボクらがチョイスすることに。ただ、一般ウケを狙ってない店主のストックも個性的なら、こちらもクセのあるワインラバーたち。選ぶときからワイガヤで楽しい。
1本目はイタリアヴェネト州の微発泡オレンジワイン、コスタディラMoz。品種はモスカートとグレラ、見てのとおりノンフィルターでボリューム感あり。適度な酸味、苦みがクミンなんかにも合う。しかしイタリアワインなのに、なぜ“ぐるぐる”なのかは謎(笑)。
大山鶏のハツとツナギの炭火焼き。ツナギは心臓と肝臓を繋いでる動脈で希少部位とのこと。プリフワな食感が意外。
次のワインはギリシャの白(書いてるって・笑)。
KAMARA NIMBUS ALBUS 2021。セパージュはアシルティコとマラグシアが50%ずつ。酸味を全く感じない、かといってフルーティでもなく、ビオの香りと熟成の厚みが特徴といった感じ。
福島産活きホッキ貝のトムヤム。なんとこれ無塩らしい。なのに旨味しっかりで、塩味も感じるのはホッキ貝の仕業か?。
同じくホッキ貝を使ったサラダ。こちらはオリーブオイル、蜂蜜、ナンプラーで味付け。
これらタイっぽい貝料理に合わせたのは、スペインカタルーニャの白。
CLOS LENTISCUS CRIC CRIC BLANC 2018
印象的なエチケットに加え、1Lボトルなのでインパクト大。
セバージュはチャレッロ100%で、複雑さの中のミネラル感がホッキ貝とうまくマリアージュ。いい選択でした。
箸休め的な肝の佃煮。これは紹興酒あたりでチビチビやりたい。
新イカと里芋の揚げ物、宮城産スミイカの春巻。イカ墨とワタのディップ、春菊のサルサベルデで味変しながらいただきます。
さて、ここからワインはジョージア祭りの始まり。
OUR WINE GORELI MTSVANE 2021
ジョージアの固有品種ゴルリムツヴァネ100%の自然派オレンジワインで、今でも甕で造られてるらしい。
金目鯛の昆布締めと赤蕪の千枚漬け。風味づけはオリーブオイル。ここまで変化球が多かったので、ストレートに美味しい。ただ、これはジョージアのオレンジではなく、スペインのチャレッロのほうが合う。
鹿児島産メジマグロによだれ鶏のタレ。鶏ではなく魚なところが素直じゃない(笑)。
次もジョージアのオレンジ。
CHIURI 2020
これもアンフォラで発酵、熟成させたノンフィルター。こんな個性的なワイン、どこで仕入れてるのか店主に聞いたら、なんと佐野のボクのアパートの近くの(ボクもときどき行ってる)ワインショップだった。世間は狭い・・・(笑)。
広島地御前の牡蠣と春菊のチヂミ。立派な牡蠣が入ってて大満足。
ここでジョージアはひと休みしてココ・ファームの赤を。
こころみシリーズ 雲の時間 茜 2016
今回のメンバーにココ・ファームの(元)中の人がいて、その方が寝かせていたのを持ち込んでくれました。生産本数の少ない貴重なボトルらしい。いい具合に熟成してて、美味しくいただけました。
北海道活き毛蟹と春雨の沙茶醤(サーチャージャン)炒め。
春雨が旨味を吸って、凄いことになってます。贅沢すぎる。
メインは、もち豚と中国くさやの香港風蒸し物。
肉の旨味+スープの風味+香草の香り=絶妙の完成形。そしてワインにも合う。
最後もジョージアの赤。
PHEASANT'S TEARS CHKHAVERI 2018
品種はチハヴェリ100%でこれも甕で醸造。果実味豊かでタンニンは無し。ここまでのジョージアほどクセはなく、綺麗に仕上がったワインでした。
〆は桜海老とニラの焼きそば。
デザートひとつ目は、リンゴと洋梨とジャスミン茶の寒天。
ベルギーカカオのボネ(焼き菓子の入ったプリン)、ココナッツと柿。カルダモンの香りがいい。
今回も楽しかったなぁ。店主のマニアックなワインのコレクション、それらに合うよう工夫が凝らされた料理の数々。こちらもワイン・料理好きのメンバーで、感想や質問なんかの反応を店主も楽しんでたみたい。これら料理やワインは、もちろんメニューには載っていない。中華料理のお店は世を忍ぶ仮の姿で、実はこちらが本当の粋園だったりして・・・なんて考えると面白いね。
*** 後日談 ***
今日、例のワインショップに行ってこの日の話をしたら、若い店長と粋園ネタで大いに盛り上がりました。なんと昨日、粋園の店主が来て、倉庫(セラー)に入って自分で勝手に選んで買って帰ったらしい。ボクらが飲んだので補充したのかな(笑)。