スパイスと酒 山椒魚 | アルジャーノンにシャンパンを

アルジャーノンにシャンパンを

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というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

【1月6日(土)】

 

2024年最初の外食は山椒魚さんで。

お店には10年以上前に1度伺ったきりだが、そのスパイスの効いた食材は魅力的で、今でもテイクアウトやお取り寄せは時々してます。

飲み物は日本酒をペアリングでお願いしました。

最初に出てきたのは、にごり酒を炭酸で割ったもの。甘くないにごりで、アペリティフとしてはなかなかよろしい。

 

そのお酒は、島根県玉櫻酒造のもち米四段にごり。ちょっとだけもち米がブレンドされてます。

 

ちなみにここの料理はお任せコースのみ。ひと品目はガスパチョのパニプリ。パニプリはインドの軽食で、パリパリの皮の中に豆などの具を入れたものらしい。今回は中身がガスパチョで、インド+スペインの連合軍。こぼさないようにかじると、皮と中身がうまく融合して新しい美味しさ発見です。

 

2品目は北広島町ふぁーむbuffoの親鳥の汁椀。見た目粕汁のようだが全く違う。複雑なスパイスの効いた、どちらかというとスープカレーのよう。親鳥のつくねの旨味はすごいし、こぶみかんの葉の柑橘の香りもいい。

 

椀物に合せるお酒は難しいと思うのだが、出てきたのは福島県高橋庄作酒造の会津娘「穣」。田んぼことに米の種類を変えて、それぞれの米で純米吟醸を造ってる。これは一ノ堰松原8という栽培圃のもので、会津産五百万石100%。米の味が濃いので、スパイシーなスープともうまく合う。

 

倉橋産タコのお造り。タコはあの半田さんとこのです。そして山椒オイルと粒山椒で風味付け。和食のお造りとは全く別物だが、これはこれで美味しい。

 

ここのお酒は、北海道小林酒造の冬花火。純米大吟醸なのに華やかな吟醸香は無し(ワイングラスでスワリングしてもダメ)。でもその繊細じゃないところが、山椒風味のタコに合う。

 

北広島町猪肉のネパール蒸し餃子モモ。これも香辛料が効いてて、独特なスパイシーさ。おそらく現地の味はこんなんだろう。

 

そして合せたのはなんとドブロク。広島県大朝町福光酒造の鬼吉川。これまた強烈な個性のある酒で、モモにしか合わないような感じ。ちなみにネパールでもドブロク(米から造った濾さない醸造酒)を飲むらしく、そんな共通点もあるんだろうね。

 

鰆のゴアソース、ドリアンのカンパーニュと。インドのゴア地方のソースらしい。香辛料たっぷりの複雑な風味のカレーで、抜群に美味しい。肉厚の鰆にたっぷり付けて、あとはカンパーニュできれいに拭って一滴も残さずいただきました。

 

石川県白藤酒造の奥能登の白菊。特別純米を燗で。しっかりした風味がゴアソースにうまく対峙している。輪島にある白藤酒造、このたびの地震で甚大な被害が発生しているらしく心配です。

 

北広島町仔羊の炭火グリル。北広島の八幡高原で唯一羊を生産している農家さんの仔羊。ソースはまた違ったスパイシーさのカレー風で、個性的な羊肉とは絶妙の相性でした。

 

そしてここも燗酒。香川県丸尾本店の悦凱陣。料理がどれもスパイシーなので、お酒は敢えて香りで勝負せず、米の風味の濃い純米酒あたりを合わせている。いいラインナップ、そしていいマリアージュでした。

 

ダルバート タルカリ。これはネパールの日常的な献立で、チキンのカレー、豆のスープ、季節の野菜の炒め物、酸味のある漬物のアチャール、バスマティライスを盛り付けたもの。最初はちょっとずつライスにかけて、だんだん混ざってくるので最後はすべて混ぜると、不思議な美味しさになります。左の赤いのはトマトの梅干しみたいなの。これも何気にいい仕事してます。そうそう、豆のスープには時期なので七草が入ってました。この日の料理で唯一和のテイスト(笑)。

 

マサラチャイのアイスと呉市音戸町榎酒造華鳩の貴醸酒。このコースの締めくくりとしては、いいデザート&食後酒です。

 

最後はあったかいブラックマサラティーで。

 

さまざまな香辛料を駆使したスパイシーで美味しい料理と、それらに合う個性的な日本酒のマリアージュ、楽しかったなぁ。店主の説明も興味深いし、こんなお店なかなか無いと思う。お取り寄せは継続しつつ、時々お店にも来て、スパイスと酒を楽しみたいと思います。