読書感想(233)「めだか、太平洋を往け◆重松清」 | アルジャーノンにシャンパンを

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どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

めだか、太平洋を往け

重松清著

幻冬舎文庫

2021.9.29読了

☆☆☆☆☆

ベストセラーを連発したり、映画化されるような話題作を発表する作家は、それはもちろん素晴らしいのだけれど、「巧い書き手だなぁ」と思う作家はそう多くはありません。そんな中、本書の著者はボクが思う「最も巧い書き手」のひとりです。

定年退職した女性小学校教師、彼女の息子夫婦の急逝で引き取ることになった不登校の男児、さまざまな環境で踏ん張っているかつての教え子たち、そして舞台は大震災1年後の南三陸。それぞれ異なる立場、困難な状況に置かれながらも、徐々つながりまとまっていく。その過程が、そして表現が美しく感動的。やっぱりこの人、巧いです。