読書感想(231)「出星前夜◆飯嶋和一」 | アルジャーノンにシャンパンを

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♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

せっかくの10連休なのに、コロナのせいで茅ヶ崎でサーフィンの予定も、帰省の計画もすべてキャンセル。さらに連日の大雨でステイホームを余儀なくされ、結果ブログの更新が捗っているという次第(笑)。

 

出星前夜

飯嶋和一著

小学館文庫

2021.8.5読了

☆☆☆☆

250年以上続いた太平の江戸時代において、唯一の内戦と言われる島原の乱が題材の小説。島原の乱といえば、歴史の教科書で習った天草四郎時貞のあれね、くらいの知識だったが、内乱に至る背景、強者反乱軍とダメダメ幕府軍のお粗末な戦いなど勉強になるところ多々あり。ただそれだけでは単なる歴史書なのだが、主人公的役割の若者の真摯で聡明な生き様が、感動パートとしてしっかり存在しています。年代的には前回読んだ「黄金旅風」の3年後くらいで、舞台も長崎と島原で近く、前作の主人公が重要な立ち位置で登場もする。しかし「黄金旅風」の胸すく壮大な物語とは異なり、絶望に向かって突き進みながらも一方で微かな希望を見いだせるか否か、読む人に問いかけてくるような作品です。