光秀の定理
垣根涼介著
角川文庫
2018.5.15読了
☆☆☆☆
明智光秀といえば謀反を起こしたあげくの3日天下で、極めてネガティブなイメージだが、これは勝者によって描かれた歴史であって、真の光秀像とは言い難い。織田家臣の中では、秀吉など足元にも及ばないダントツの出世頭だったのは事実で、そんな彼の極めて優秀で実直な側面を、破戒僧、兵法者といった個性的な人物とのかかわり、さらに博打における確率論も駆使して描写する。真偽のほどはともかく、とても興味深く読める歴史小説です。しかし垣根涼介って、こんな小説も書けるんですね。