読書感想(167)「分水嶺◆笹本稜平」 | アルジャーノンにシャンパンを

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♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

分水嶺

笹本稜平著

祥伝社文庫

2018.2.21読了

☆☆☆☆



絶滅したと言われているエゾオオカミと、それを追い求める人たちを通して、人間と自然のかかわり方を問う。利便性や快適性を求めて、人間が自然界に過大な負荷をかけ続けてきたのは事実で、その過程で消滅してしまった生物も少なくない。とはいえ、自然保護を優先して、人が50年前100年前の生活に戻ることはできない。考古学的時間軸で見ると人間の繁栄はここ最近の一瞬のことで、過去の恐竜がそうであったように、何かのきっかけ(例えば核の暴走など)で人類が滅亡してしまう可能性も充分ある。そのようなリスクを覚悟したうえで、現在の栄華を享受すべきなんだろうな、と考えさせられた1冊です。