読書感想(104)「風か強く吹いている◆三浦しをん」 | アルジャーノンにシャンパンを

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♪信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

風が強く吹いている

三浦しをん著

新潮文庫

2016.2.12読了

☆☆☆☆☆



茅ヶ崎に住んで箱根駅伝を直に応援したり、5区をロードバイクで登坂 してみたりすると、そこを走る選手達の才能や努力やそれらを開花させる環境などが、タダモノでないことがよくわかる。なので、同じ下宿に住む陸上素人の10人が、いきなり1年後の箱根を目指すというストーリーは相当無理があるし、ひとつ間違えればシラケた物語になりかねないのだが・・・そこはさすが三浦しをん。個性的な登場人物と巧みな感情表現、そして緻密な状況描写であっという間に彼らの世界に引き込まれます。特にページの約半分を割く箱根駅伝のシーン。結末はほぼ予想できるのに、ここまで盛り上がるか?というくらい手に汗握り、笑い、涙が出そうになる。

あまり期待しないで買ったのに(失礼・笑)、気持ち良く裏切られたので久々の5つ星決定!。