読書感想(93)「日御子◆帚木蓬生」 | アルジャーノンにシャンパンを

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どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ♪♪
というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

日御子

帚木蓬生著
講談社文庫
2015.5.22読了

☆☆☆☆




古代日本を舞台にした歴史小説です。時代は中国の王朝でいうと、後漢から三国時代を経て晋が建国されるまでの約200年。その間の日本(倭国)の出来事や中国、朝鮮との関係を、あずみという使譯(しえき:通訳のこと)の家系一族の9世代に渡って語らせるという、壮大な物語です。タイトルの日御子のモデルは、もちろん邪馬台国の卑弥呼。しかし日御子が登場するのは全体の1/3くらいで、あくまで主人公はあずみ一族です。史実に基づくところと、フィクションの部分が混在して、妙なリアリティのある、説得力ある作品です。


それにしても、当時の中国というのは、文化も技術も交易なども、倭国とは何百年も差があるくらい進んでたんですね。いつからあんな変な国になっちゃったんだろ(笑)。