ブレイズメス1990
海堂尊著
講談社文庫
2013.12.16読了
☆☆☆☆
久々の海堂作品。彼の著書は登場人物や出来事が他の作品とリンクしているので、そこを理解しておかないとおもしろさが3割減します(笑)。
というわけで、読む前に予習復習したい方はこちらを参考に。
http://kaidotakerufan.blog24.fc2.com/
なかなか良くできてます。
さて本作品、海堂年表の上では初期の頃の設定です。“チームバチスタ”では東城大学病院の高階院長がまだ講師、看護師長の花房美和がまだ3年目の新人看護師という頃の物語です。
超一流の技術を持つ心臓外科医、天城をモンテカルロの病院から東城大学へ招聘し、心臓外科専門の病院(スリジエ・ハートセンター)を立ち上げようというストーリー。
海堂作品らしく軽快でテンポの良い展開の中に、医療を取り巻く問題とその短絡的な解決案が描かれてます。
圧倒的技術で反論者を封殺し、ハートセンター立ち上げにいよいよ本格始動、というところで物語は終っていて、次はどんな展開になるのだろう、と期待を持たせるのだが・・・。
話としては17~8年後を描いてる“極北クレイマー ”に、なんと主人公のひとり世良医師がセンセーショナルに登場するんですね。ということはハートセンターは出来なかったのか?、ドクター天城はどうなった?、世良はその間何をしてた?、という疑問には、続編“スリジエセンター1991”が答えてくれます(まだ読んでないけど)。
それにしても、海堂ワールドの奥深さと幅広さには感心するばかりです。