極北クレイマー
海堂尊著
朝日文庫
2011.11.10読了
☆☆☆☆
いつものように強烈なキャラクターの登場人物とウィットに富んだ文章で楽しく読めるが、テーマは医療行政の失敗と崩壊する地域医療、医療事故に対する報道の問題と、とてもシリアスである。夕張市の財政破綻、福島県の大野病院事件が題材なのは明らかで、限りなくノンフィクションに近いフィクション。医師でもある著者の、医療を取り巻く問題に対する痛烈なメッセージといえる。ストーリーは完結していないので続編を期待したい。
「チームバチスタの栄光」から始まる著者の作品はすべて登場人物、ストーリーが何らかの形で関連付けられているので、これから読む人は順を追って読まないと面白さが目減りするかもね。