読書感想(53)「アンドロイドは電気羊の夢を見るか◆フィリップ・K・ディック」 | アルジャーノンにシャンパンを

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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

フィリップ・K・ディック著

浅倉久志訳

早川書房

2013.2.17読了

☆☆☆


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あの大ヒットSF映画「ブレードランナー」の原作本です。

核戦争による地球環境の悪化で人類のほとんどは火星で生活していて、そこでの重労働にはアンドロイドが使われている。ところが殺人を犯したアンドロイド8人が地球に逃げ込み、まだ残って生活している人間に紛れてしまう。主人公はそんなアンドロイドを探し出して処分する賞金稼ぎで、様々な手段でアンドロイドを追い詰めていく・・・というストーリーなんだけど、そこに深~いメッセージが込められてるんですね。


アンドロイドは過去の人生経験が無いため「感情移入」できない。人間かアンドロイドかを見極めるにはそこを確認すればいいのだけれど、後に「感情移入」の判断基準が無効であることをアンドロイドたちによって証明されてしまう。電気羊などではなく本物の動物を飼うことが相当なステータスだというユニークな設定も含めて、人間とアンドロイドの違いは何か?人間とは?生きることとは?といったテーマを投げかけてきます。う~ん、なかなか難解だなぁ。


この本が発表されたのは1968年。今でもまったく色褪せないストーリーで、著者の想像力のすばらしさには恐れ入りました。ちなみに、シュワちゃんの「トータル・リコール」、トムクルーズの「マイノリティ・リポート」も著者の原作によるものです。




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