読書感想(29)「檀流クッキング◆檀一雄」 | アルジャーノンにシャンパンを

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というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

檀流クッキング

檀 一雄著

中公文庫

2012.5.15読了

☆☆☆☆


アルジャーノンにシャンパンを


檀一雄といえば、自身がモデルであり遺作となった「火宅の人」の印象が強いから放蕩で奔放なイメージだけれど、こと料理に関しては研究熱心で繊細で家庭的もあり、大いにギャップを感じるんだよね。

でも、晩年には料理を学ぶためにスペインに1年半も住んでいたし、小説家ではなく料理人になっていたら、帝国ホテルの料理長くらいにはなっていただろうと言われるほどのレベルだったらしい。


さてそんな著者が、世界を食べ歩いて作り方を学び、さらにそれを身近な食材で作りやすく、日本人の嗜好に合うようアレンジした、まさに檀流料理のレシピ本とでも言えるのが本書です。和食はもとより韓国、中華、西洋料理まで幅広くカバーしていて、料理に対する好奇心の強さには驚かされます。


しかしおもしろいのは、普通のレシピ本と違って調味料何グラムとか一切書いてないんだよね。「お吸い物より少し辛いくらい」だとか「ニンニクとショウガを適当にすりおろして投げ入れる」とか、さらには「2、3度失敗したら美味しくできるようになる」てな具合で、とても親切とは言えません(笑)。


でも、これが今から40年も前に書かれていたことを思うと、料理に対する知識の広さと実践力には恐れ入ります。


この本、実はボクが4月から単身赴任することになったので、友人のU夫妻がプレゼントしてくれたものなんです。残念ながら、この本に書かれてるようなメニューはなかなか作れないけど、とても楽しく読ませてもらいました。ありがとうございました!。




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