読書感想(25)「銀輪の覇者◆斉藤純」 | アルジャーノンにシャンパンを

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というわけでブログはじめました。
ちなみに、はつかねずみのアルジャーノンとは関係ありません。面識もありません(^-^)/。

銀輪の覇者

斎藤 純著

ハヤカワ文庫

2012.2.23読了

☆☆☆☆


アルジャーノンにシャンパンを


時代設定は昭和9年、下関から青森まで本州を縦断する自転車レースが舞台です。参加選手やレース関係者のそれぞれの過去を、フラッシュバックで挿入しながらレースが進んでいくという構成。参加選手の大部分がレース経験のない素人だったり、使っている自転車がロードレーサーではなく実用車という設定から、自転車レースよりヒューマンドラマ的なところが作品の重心ですね。

主人公をはじめ登場人物には謎の部分が多く、それらがかえって魅力になってるかな。結局最後まで明かされないものもあり、読後に軽く余韻が残ります。

選手や自転車の設定にはちょっと違和感があるけど、レースシーンの描写は秀逸です。チームごとの戦術、エースを勝たせるためのアシストの走りなど、プロのロードレースの展開そのもの。レースに興味ある人は充分楽しめると思いますよ。

そんな訳で、著者には是非、本場ヨーロッパを舞台にした本格ロードレースの長編小説なんか書いてほしいなぁ。





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