マングースの尻尾
笹本稜平著
徳間文庫
2012.1.18読了
マングースと呼ばれる黒幕と主人公の息詰まる攻防が、著者らしい壮大なスケールで描かれていて純粋に楽しめる作品です。6部構成でそれぞれフランス、イギリス、ロシア・・・と舞台が異なり物語も完結してますが、それらを通して全体のストーリーが迫力のラストに向けて進んでいきます。
途中から「フォックス・ストーン」の主人公檜垣が登場して、後半にかけて大活躍します。こういう展開、読者としては嬉しいですね。
やや強引な話の運び方や詰めの甘い状況設定など、ちょっと粗忽な部分もあるけど、細かいところを気にしなければエンターテイメント小説としてはいいんじゃないでしょうか。
ちなみに過去に読んだ著者の作品の中では「太平洋の薔薇」がダントツの5つ星。またあんな感動長編を読んでみたいなぁ。