高き

(つよ)く 天高く 猿 哀れげに(うそぶ)く (なぎさ)清く 沙白く 鳥飛び(まわ)

無邊の落木は蕭蕭(しょうしょう)として(くだ)り 不尽(つきざる) 長江は滾滾(こんこん)として()たる

万里(まんり) ()(しゅう) 常に客を作り 百年(ひゃくねん) 多病 (ひとり) 台に登る

艱難(かんなん) 苦恨(くはん) 繁霜の(びん) 潦倒(らうたう) 新停 濁酒の盃

 

蕭蕭:もの寂しいさま 無邊:(ひろびろとして)限りなきこと

満里悲愁:つきざる悲しい秋の景色

潦倒(らうたう);落ちぶれた様 新停:新しい禁酒

 

Yoshiのつぶやき】

「登高」は99日の重陽の日に高い山に登ること。

壮大な風景を詠ってはいるが、不遇を嘆く杜甫が見える。

病に疲れ、好きな どぶろく まで禁酒する歎きを新停()

としている。


kyaku

舎南 舎北 皆 春水  只 見る 群鶴の日日来るを

花径 (かって) 客に(より)(はら)はず  蓬門 今 始めて君の為に開く

盤そん (いち) 遠くして 兼味無く 樽酒 家貧しく (ただ) 旧はい

隣の翁と相対して飲むを (よし)とすれば  

(まがき)(へだ)てて 呼び取り 餘杯を盡さしめ

 

兼味:重なった味 うまいもの

旧はい(?) 古い醸造 盤そん:地名

 

Yoshiのつぶやき】

昨夜は台風で飲み会が流れた。

唐の時代と同じ営みだ。中国の風習だったのだ。面白い

ことだ。娘がアメリカの日本企業に勤めている。時々、

会社の帰りに飲みに行くらしいが、帰宅は車なので、休日

家に集まることの方が多いようだ。万国同じか?

 

客が来る。客は、母方の親戚で崔明府である。後半にある

隣の翁ではない。君である。



成都


江 碧にして 鳥(いよいよ)白く

山 青くして 花燃えんと欲す

今春 (みすみす)又過ぐ

何の日か 是れ帰る年ならん

 

Yoshiのつぶやき】

錦川は碧く 水鳥は愈々白い

山は青く 今にも花が咲きそうだ

今春も みすみす過ぎてしまった

何時になったら 帰れるのだろう