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大手の化粧品会社さんの商材は別として、百貨店さんやドラッグストアさんのコスメ売り場を見ると、「オーガニック」をキャッチフレーズにしている商品が、数多く並んでいます。とくにバラエティショップさんの場合は顕著で、全数ではもちろんありませんが、化粧品売り場はまさにオーガニックだらけです。
このような状況を好ましく思われない方が少なくないためか、オーガニック化粧品に関してググってみると、下記のようなさまざまなご懸念やご不満が、ネット上に書かれています。
●多くの欧米諸国に比べて日本はオーガニックコスメ後進国
●オーガニック化粧品の認証システムは日本では確立されていない
●オーガニック化粧品のは偽物が多くて安心して買えない
●米国に見習って農水省はオーガニック化粧品の認証制度に着手すべき
こういったご意見を書かれた方は、乾燥性品管肌や乾燥肌でお悩みの方であったり、アトピー肌(アトピー性皮膚炎)などの皮膚病でお困りの方で、安心して使えるような安全性の高い保湿化粧水や美容液などを買いたいと願っている方のようです。また消費者以外からとして。本物のオーガニックコスメ作りをしたいオーガニックコスメブランド志向の化粧品のメーカー側からの発信も見かけます。その他には、オーガニックコスメ認証制度の確立を願う、オーガニックコスメアドバイザーからの、ご主張もありそうです。
弊社公式サイト内のオーガニック化粧品に関する連載記事の第1編にも書きましたが、現在の日本にはオーガニックコスメを明確に規定する法律はありません。これが結局は、化粧品売り場が「オーガニック」の言葉であふれることに、通じているわけです。「オーガニック」という言葉を使用すれば、消費者の皆さんに商材の安全性や優位性を強調することができ、他の商材より高く販売することが可能になるからです。
消費者の皆さんからすればバカバカしいことですが、オーガニックの原料をたとえば0.001ppmだけ配合すれば、それだけでオーガニックコスメとなり得ます。また、そのオーガニック原料自体も、オーガニックだと思うといった不確かな程度でも、まったく差し支えないわけです。なぜなら、規格基準はあくまでも、メーカーが決めているからです。もっと端的に申し上げるなら、化粧水の瓶やパッケージがオーガニックっぽいとメーカーが思えば、それはオーガニックコスメとなってしまいます。このような状況に危惧された方々が、先ほどのようなご不満やご懸念を、示されているというわけです。
しかし、少数派ですが、まったく逆のご意見もあるのです。
●我が国でオーガニックコスメの認証制度はそもそも必要なのか?
●なぜ日本がアメリカを見習う必要があるのか?
じつはこれが、今回の記事のテーマとなります。
このUSDAオーガニック認証制度の正式名は“USDA National Organic Program (NOP) regulation”です。この制度の対象は、食品だけでなく、化粧品も対象となります。国による認証システムであるため、国によるお墨付きを得ることとなります。日本の場合は農林水産省によって、農産物および農産物加工品のみにオーガニックのお墨付きを得ることが可能です。
この制度(規制)はJAS法を構成していて、厳しく運用されています。日本の食品の場合、有機食品のJAS規格に適合した生産が行われたことが検査され、合格すれば有機JASマークを貼ることが許可されます。そしてこのマークが貼られている商品以外に、「オーガニック」や「有機栽培」といった記述や広告は、一切違法行為となります。この点においては、アメリカでも同様のようです。
USDAオーガニック化粧品の認証制では、「100%オーガニック原料で構成される化粧品」「オーガニック原料が一定以上の割合で使用される化粧品」といったいくつかのランクが設けられています。それらグレードによっては「USAD organic」のマークを貼ることが可能となります。認証されていない化粧品は、「オーガニック」と記載することはできません。
●アメリカの消費者はちゃんとした安全安心なオーガニック化粧品を買うことができるので羨ましい
●日本にもUSDAオーガニックの認証制度のようなシステムが導入されてほしい
これまでの記述をご覧になれば、そのようにお感じになられても、無理はないと思われます。しかし実際には、そう簡単にコトは進みません。じつは今アメリカでは、このオーガニックコスメ認証システムが、大きな問題を引き起こしつつあります。それは日本ではあまり知られていないことで、インターネット上を日本語で探してもまず見つかりません。次回の記事ではそのあたりについて、書きたいと思います。
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