今日は朝からとても良い天気でした。
チョット近所まで出かける用事があって、プジョーを引っ張り出しました。
本当にとっても乗りやすいです。
秤できちんと計ってはいませんが、とっても古い自転車ですから決して軽くはありません。
でもね、軽ければ軽快かというとそんなに簡単な話じゃないのが自転車の面白いところ。
なぜこんな乗りやすいのか考えながら走っていたんですが、多分サドルとペダルの位置関係がとても踏みやすいスケルトンになっていて、レースモデルやツーリングタイプのスケルトンとは違ったフレーム設計になっているのじゃないかと。
そしてライディングフォームを決めるもう一つの要素、ハンドルバーはフランスの名作”Belleri Porteur”をヴェロオレンジがコピーしたもの。このバーはグリップ位置をやや下方に下げた形状で、しかもバーハンドルではないので昔のセミドロップのような乗車姿勢になります。これらが相まって日常仕様でも少しだけスポーティーな走り方を求める働きをしているのかも。
スリーピースのGNUTTIのハブもいい雰囲気。ただしシャフトはオリジナルではないかもしれません。
調整してもややゴロつきます。それでもなんとか許容範囲。カップやコーンが虫食いにならないか心配ではありますが。ATOMの4速フリーと現代のシマノのチェーンの相性も良くて、ペダリングしているときにチェーンがスプロケットと噛み合う擦過音も殆どと言って良いほどありません。それはきっとベルハンマーのオイルがその一助になっているとも思われます。加えてタイヤのトレッドが砂目パターンが功を奏し、ほとんど無音の走行が実現できています。
回転部分はどれもこれも時代物なんですけどね(笑)
クランクシャフトこそ80年代のストロングライトですが、左右のワンは元々これについていたワンです。つまり製作された1952年当時のボトムブラケットというわけです。
組み上げたときシャフトとの相性は不安でしたが、あに図らんやウルトラスムーズで一安心。
全く問題なく軽やかに働いてくれています。
B.B内部はウオーターシースとともに、同じくベルハンマーのメタルグリスを詰めてあります。
この頃は自転車の潤滑系は一部を除けばベルハンマーばかり使っています。
先日のタンデムの再生でも、潤滑油はベルハンマー製品を中心に使っています。
チェーンガードもだいぶきれいに光るまでに磨けました。それでも元々かなりデコボコしていたもので、まだ少し変形の修復が不十分であることが強調されてしまってはいますけどね。
ちょっと平面部分が寂しかったので、ALU-DURのロゴの周りをラグに塗布した深い緑色でタッチアップしてアクセントにしてあります。
それと何と言ってもこのサンプレの快適なこと!とても昭和21年に作られた変速機とは思えません。
堅牢なボディ(アーム)に支えられているカッチリ感もありますが、スライドシャフトの寸法精度が高いと見えて、ガラガラガッチャン!なんていう恥ずかしい音は一切しません。
それはランドナーに使ったサンプレックスのカム式ディレイラーも同様です。
サンプレックスが50年代~60年代にかけてヨーロッパでチャンピオンシップを取れたのは十分理解できますね。
そういえば若い頃三光舍のSR-1を使ったことがあるのですが、あれは酷かった。
私が高校生の頃ですから1976年ころの話ですけど、その頃すでに三光舍は珍しい部類でした。縁あって分けてもらったんですが、変速性能は語るに落ちるというレベル。
すぐにサンツアーのスキッターへと交換したら夢のような変速性能でしたっけ。
三光舍はサンプレックスの代理店でもあり、製品づくりには随分影響を受けたと聞いていますが、やはり当時は(昭和30年代)まだまだ試行錯誤だったのではないかと推測します。
それと後ろの泥除けにチョットお化粧を。
キャリアの下の部分だけ、センターに革テープを貼りました。
サイドバッグだけでしたら構わないんですが、何かを括り付けたりするとせっかくのアルミポリッシュの泥除けが傷になりそうでしたので保護とビジュアルの変化も兼ねて貼り付けました。
フレームもキャリアもところどころ塗装が剥げてサビが発生していますけど、これはこれで時代を感じさせる良い演出だと割り切っています。
なにしろ1952年製のプジョーですものね。私より6歳も年上、つまり昭和27年製の自転車ですもの、これくらいの時代がついているのが当たり前でしょう。
80年代にはルネエルスのシャンゼリーゼとかジェントルマンなどのコピーが流行りました。
私は少なくともそれらよりフランスを代表するプジョーバイクの黄金期のモデルのほうがフランスらしいと感じます。
ドメスティックな生粋のフランスの自転車。50年代のプジョーにはそんな香りを感じます。
私のフレームサイズは650Bホイールであれば535ミリほどですが、このフレームは550ミリあるのでサドル位置はこんな感じ。偶然ではありますが、こんなスタイルが古めかしい時代の雰囲気を感じさせているという一面もあります。
古い時代の自転車って、サドル位置はピタピタなのがセオリーだったりしますからね。
蛇足ながらツール・ド・フランスでは、プジョーは(80年代前半ころまでは)優勝して当たり前のメーカーだったんですからね。そんなところもスペシャルなメーカーを感じさせます。
それってフェラーリよりアルファロメオが好き、っていうのに似ているかも。
また明日ね(^o^)/~~