同情する人も居るんだろうけど。。。 | NZらいふ:ニュージーランド生活情報、日々の出来事、そして子育て

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案ずるより産むが易し(?)の精神と、楽観的な性格でNZ移住23年。無計画なワーホリ時代を経て、多種多様の仕事を経験。2012年に乳がんにより全摘、抗がん剤、放射線治療を受けました。NZの医療システムについても書いています。
ぷらす、子育て奮闘記!

似たような話は沢山知ってる。

イミグレーションが入国拒否をしたことを、不公平だと抗議する人たち。

 

今回は、80歳のお婆ちゃんが健康状態を理由に入国を拒否されたことで、娘が騒いでいる。

オヤクソクのLincoln Tan氏の記事です(笑)

 

こちらです。

 

色んな国のイミグレーションには、Visa Waiverという「渡航前にVisitor Visa申請を免除する」提携を結ぶ国があります。

日本のパスポートは世界最強らしく、そのランキングは世界の何か国でVisa Waiverが使えるか、が基準になってます。

 

このニュースのお婆ちゃんは、韓国人で、韓国もニュージーランドとはVisa Waiver提携があるので事前のビザ申請は免除「されることもある」

 

されることもある、ですよ、あくまでもね。

韓国だから、ではなく、Visa Waiverが適用されるには条件を満たしている必要があります。

例えば、帰国便のチケットを持っているか(もしくは購入できる額を所有している証明)、健康状態、犯罪歴とかね。

ニュージーランドパスポートは、世界で唯一オーストラリアのVisa Waiverが適用されるので、自由に行き来でき、しかも滞在期限がない。

ただしこれも、犯罪歴や健康状態が条件を満たしていれば、という前提なので入国拒否されるニュージーランド人は少なくない。

 

このお婆ちゃんの娘はニュージーランドのイミグレーションは残酷で非人道的だと、かなり憤慨しておりますが。。。

 

でもね。

新聞記事が正しいとすれば、入国拒否されるツッコミどころが満載だと思うんだけど?

 

まず、帰国便のチケットを持っていない。

まぁ、これはクレジットカードとか所持金で免除になることは多い。

 

でも、彼女は過去2回ニュージーランドに渡航しているのだけど、前回2015年の渡航の際にLower Huttの病院に治療費の借金があったようなの。

病院にかかって、医療費を払わずに帰国したってことです。

これはちょっとね。。。

 

娘は、その借金は払ったし、旅行保険も入って来ている!と反論しているけど。

 

ニュージーランドの公立医療は、お金を払うんだから、という点が重要なのではないのですよ。

公立医療を受ける権利のある人が順番待ちをしている状態なのに、権利の無い人がベッドを使うという事だけでも問題なの。

ニュージーランドでは救急車は公立病院にしか行きません。

公立医療補助が受けられない人でも、救急搬送されたら「最優先」で応急処置、検査、投薬、入院というコースです。

マタニティーサービスもしかり。

妊娠が発覚して学生ビザが却下されたケースとか。

十分混みこみの公立医療サービスに更にストレスを掛ける旅行者は困る、という事ね。

 

それと、この韓国人のお婆ちゃんのケースでは、旅行保険に入っているとはいえ、カバーされるのか疑問。。。

彼女は、高血圧、心臓疾患、腰痛、骨粗しょう症だという。

旅行保険って、既往症に関連する医療費はカバーしないよね?

この病歴では、例え骨折してもACCでカバーされない可能性も十分考えられる。

ACCは、ニュージーランド国内での怪我の治療を、ビザに関係なくだれでも無料で受けられるという寛大すぎるシステム。

だけど、骨粗しょう症があるってことは、骨がもろくなって折れやすい状況だからね。

ACCは、「Degeneration=消耗性疾患」はカバーしないのが通例。

歳をとると劣化する骨や関節を扱う整形外科泣かせ、らしいですよ。

高血圧が原因の疾患なんて、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、心臓肥大からの心不全。。。まだまだあるぞ(笑)

しかも彼女は既に心臓疾患があるんでしょ??

 

前回の渡航で病院のお世話になった履歴と、病歴をしてみれば、渡航に十分な健康状態ではないと判断されて当然の気がします。

 

日本人の多くがVisa Waiverの事を、「ビザフリー」とか、「ビザ無し入国」と呼んでいるけどそれは正しくない。

渡航前にVisitor Visaを発行してもらわずに渡航しても、90日以内の滞在ならいいよと、入国審査でパスポートにVisirotのスタンプ=Visaが発行されるんです。

なので、普通の人は入国時にはビザを持っているってこと。

エリザベス女王や天皇皇后両陛下のように、パスポートすら必要ない人っていうのはそうそういらっしゃらないからね(笑)

(エリザベス女王の旦那さん、プリンスフィリップはパスポート必要だそうです)

 

だからVisa Waiverが認められる条件を満たしていなければ、この韓国人のお婆ちゃんのようになる可能性もある。

彼女の場合は、高齢を考慮されたのか、いったん娘の所に1週間滞在することが許可されたようね。

入国拒否は通常、搭乗地への次のフライトまで空港のイミグレーション監視下に置かれるんだけど。

 

イミグレーションがビザ却下するに十分な証拠があると自信があるケースで、新聞沙汰にしたりというメディアを使ったイミグレ批判は逆効果にすらなれ、まず良い方には転ばない。。。

 

メディアとお話をする時は十分考慮した上で(笑)

 

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