「新しい腰痛対策 Q&A21 -非特異的腰痛のニューコンセプトと職域での予防法」 産業医学振興財団

松平浩先生は、関東労災病院の勤労者 筋・骨格系疾患研究センターでセンター長で、腰痛対策の研究をされており、この領域の第一人者。テレビで解説されていたり、雑誌でも数多く紹介されています。その松平先生がご自身の研究成果や、最新の知見も含めてまとめられた腰痛対策の本です。心理面・ストレス要因も含めたトータルな視点で整理されていて、「これをすれば大丈夫!」的な偏りもなく、客観的で良心的なものになっています。
腰痛対策について様々な著書が出ていると思いますが、これをチェックしておかないと様々な腰痛対策がある中で惑わされてしまうかもしれません。腰痛の方には、一読しておくことをおすすめします。症状を持っている方にも役立つものですが、私のような身体に関する指導者や施術者の方にもおすすめです。
内容は専門的な部分もありますが、全ページがカラーで絵や図表も多くあり、とてもみやすくなっています。
(産業医学振興財団の紹介ページより引用)
内 容:
◆「腰痛時はとにかく安静に」といった20世紀型とは異なる新たなコンセプトを現場で指導、実践している筆者が解説!
◆多くの休業者を出している原因を特定することが困難な非特異的腰痛の話題を中心に、その解釈の仕方と予防対策案をQ&A形式で具体的に提示!
◆非特異的腰痛は「脊髄(運動器)と脳のdysfunctionの共存」とする筆者の仮説に基づき、近年重要視されている腰痛への心理社会的要因の影響について説明!
構 成:
○はじめに
Q 1 腰痛持ちが多いって本当?
Q 2 腰痛の原因って何?
Q 3 非特異的腰痛は画像検査でわかる?
Q 4 画像検査の意義は?
Q 5 「恐怖回避思考(行動)」とは?
Q 6 「非特異的腰痛」の危険因子は?
Q 7 「心理社会的要因」が引き金となって起こる腰痛の特徴は?
Q 8 「身体化徴候」とは?
Q 9 なぜ「心理社会的要因」によって腰痛が難治・慢性化するのか?
Q10 脳dysfunctionが関与をスクリーニングするには?
Q11 心理的ストレスで「ぎっくり腰」のリスクも増える?
Q12 今後の腰痛対策はどのように行うとよいか?
Q13 動作や姿勢(脊椎dysfunction)への予防的な対策は?
Q14 「ぎっくり腰」になってしまった時に、その場でできる対処法は?
Q15 「良い姿勢」とは?
Q16 心理的ストレス(脳dysfunction)への対策は?
Q17 安静は本当によくない?
Q18 「ぎっくり腰」でも安静はよくない?
Q19 「くしゃみ」をするときの対策は?
Q20 肥満と腰痛は関係ある?
Q21 内科的な病気や悪い病気が原因で腰痛を起こすこともある?
○おわりに
こちらのサイトで購入できます。
http://www.zsisz.or.jp/shop/book.html
ぜひチェックしてみてください!!!
というのは、前にもご紹介しましたが「アレクサンダー・テクニーク」が一つの対処法として推奨されているからなんです。
詳しくは前回の記事に示しました。
http://ameblo.jp/alexlesson/entry-11288267440.html
しかも、今回のものは、コラムでアレクサンダー・テクニークを紹介していただくなど、紙面を割いてもらえているんです。うれしい限りです。
該当ページはこちら

Q15「良い姿勢」とは? のセクションで紹介していただいているんですが、ここでは良い姿勢「B-position」の導き方も具体的に示されています。
(p36 より引用)
・足の裏に体重を預けるイメージを持つ。座位では、椅子の座面に接地している殿部(坐骨)も考慮し、足の裏と坐骨に体重を預けることを意識する(足底と坐骨で土台を作って、その上に上半身が載っているイメージ)。
・頭頂部を上から糸でつられているイメージを持つ
・腰を反りすぎない。骨盤(仙腸関節)を軽く引き締めるイメージを持つ。特にハイヒールを履いている立位では、強く意識する。
・息を吐きながら肩の力を抜く。肩を後ろに引き過ぎない。
この部分は私も助言させていただきました。完全に身技レッスンの指示とは同一ではありませんが、支持面に体重を預けることや呼吸のことも入っていて、質的に良い姿勢に至る要素は盛り込まれていると思っています。
わからなければ、一度レッスンにいらしてみてください。私は東京/名古屋で行っています。他にもアレクサンダー・テクニーク教師が日本各地にいますので。上記のアプローチとは少し異なると思いますが、近いものを教えてもらえると思いますよ。
私もこの本でしっかりと正しい腰痛の知識を学び、クライアントの改善に結びつけていきたいと思っています。