「いい緊張感」というのはこれのことかと。俳優のあづみ昌宏さん | カラダのココロ

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アレクサンダー・テクニーク教師の青木紀和のブログ。
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テレビや映画、舞台で活躍されている俳優のあづみ昌宏さんの体験談です。

「ここ2年くらいに撮影の本番になると過度に緊張するようになったんです。台詞をちゃんと言わなきゃいけないということにとらわれて周りが見えなくなり、体が固くなる感じがあった。その不安感をとって、どうにかリラックスする方法がないかと思い、アレクサンダー・テクニークの身技レッスンにお世話になろうと思いました。

「足の裏に体重を感じて、踝よりもお尻が後ろ…」を気がついたときにやっていると、緊張感の質がちょっと変わってきたんです周りが不思議と見えてくるようになった。リラックスにつながりました。今まで感じたことのない感覚もありました。それは、緊張する現場だったんですが、自分が緊張していることもわかるんだけれども、周りがとてもクリアに見えていて、台詞もクリアに把握できていた。「いい緊張感」というのはこれのことかと。これが続くといいなーと思いましたね。習ったことを続けていけば、こういう感覚が得られるように実感しています。以前よりは、緊張がなくなってきたのは確かです。

元々、せっかちの性格なんですが、今までは「すぐに反応してしまっていた」ように思います。それを「ちょっと待ってみる」ということを指摘されて、気づくようにしていました。そうすると、少し「間」ができることで、台詞に対する落ち着きができてきたし、とてもリラックスできるようになってきた。アレクサンダー・テクニーク的には抑制というのでしょうか。今までは「素早く反応することがいいことだ」と思っていたんですね。演技以外ですが、車の運転も固さが取れて、安全運転になったように思います(笑)。

それと、声を出すときは、「腹に力を入れて発声しないと言葉が届かない」という思いでやっていた。が、これが緊張の原因につながっていることに気づかされました。それが「確かにそんなに力を入れなくても声は出るんだな」とわかるようになり、これも体の固さの緩和に役立ちました。


プロの方々でも、「最近、以前のようにうまくいかないな」と、スランプのように以前の感覚ではうまくいかなくなってしまう時があるようです。

あづみさんは、自分の体に気づき、必要な「体の支え」を意識してもらうことで、緊張の緩和につながりました。「体の支え」は原点であり、全ての行為の基盤となるものです。特に声については、この支えが効果的なものか否かで、全く違ってきます。

12回目の最終日にはあづみさんの自家栽培のゴーヤをお裾分けしていただきました。定番ですが、チャンプルーにしていただいたんですが、とても美味しかったですね。