母と幼児
アレルギーと免疫システム異常を癒す催眠
デイビッド・クィグリー著
この論文のシリーズでは、アレルギーとその他の免疫システム異常に対処するための催眠の戦略を提示してきた。ここでは、西洋文明社会にこのような病気が充満している第一の理由について論じる。文字どおり、何百万人ものアメリカ人は免疫システムが無差別に無害なほこり、花粉および自身の体細胞さえも攻撃しているかのような、喘息、花粉症、自己免疫疾患にかかっている。なぜこの国で、なぜ私たちなのか?
他のすべての哺乳類と同様に人類の免疫システムは出生時に本当の健康の危険をしめすこれらの微生物の生化学的なサインと、特定の、身体が戦う必要のある化学物質とともにプログラムされた。また新生児はどんな食物タンパク質が安全であるか、そして、どの花粉、カビなどが幼児にとって安全かもプログラムされる。この情報は、新生児の免疫システムがその生まれた生化学的環境に適応するのを助ける。
大人の退化した外観と比べて、幼児の胸腺は非常に大きい。それは心臓の隣にあるそれは幼児の心臓と同じくらいの大きさである。胸腺のタスクは、幼児の生化学的な免疫システムを作り上げることである。出生後、初めのわずか数か月の後胸腺は縮みはじめるので、この過程は人生の初めのわずか数か月で最も急速に展開することは明確である。
この過程の最も有効な助けは母乳、もしくはより限定的に言えば、母乳の生産に先行するねばねばした透明の液体である初乳からくる。科学者たちはこの透明の液体には母親自身の免疫システムが戦うことを学んだすべての微生物の化学的特徴を含んだ抗体が詰まっていることに気が付いている。また私は、この化学プログラムがどんな食べ物や無害な花粉などがその子供に安全に信頼されるかを明らかにするかもしれないと考えている。このように、幼児の免疫システムは何が安全で、何が安全でないかを“学ぶ”。
したがって結論付けると、幼児が粉ミルクを与えられ、保育されないとき、その幼児の免疫システムはとても深刻な欠陥を生じるということになる。免疫システムはどのように友達と敵を見分けるか、無害のほこり、もしくはカビと危険な病原体を見分けるか知らない。この混乱の結果、多くの乳幼児は、アレルギーや喘息の流行をこうむるのである。ほかの幼児が影響を受けないように見えるかもしれないが何年か後に大人としての生活の中でストレスが蓄積されると免疫システムはあわてて攻撃を始めたりする。医師は長年この危険を認知してきたにもかかわらず、わずかしか話していない。その一部は、おそらく、今日の女性が医学によって妥協し、子育てという選択の自由を望まないからであろう。わずかな医師は、乳児用粉ミルクが高収益事業であり、強大な力を持ち、私たちのヘルスケアシステムをコントロールする製薬工業と組んでも構わないと思っているかもしれない。また、ひとたび母親からの健康のための不可欠な贈り物を逃すと、この問題に対して、伝統的な医学ができることは何もない。
催眠療法士は、このような制限に苦しむことはない。クライアントがアレルギーに苦しんでいるとき、できることがある。私のあるクライアントは彼の愛する海沿いの熱帯林の中の家に引っ越した。まもなく彼は気管支と肺の両方に彼の環境におけるカビの激しいアレルギー反応をおこし、やるせない思いでいた。私は彼が新しい母親から今生まれるだろうと暗示しながら、彼を乳児期に退行させた。新しい母親は本当の母親に比べて、敵対的で、神経質ではないだけではなく、この熱帯林の生まれだった。私は彼に胎児(もしくはあやされるときの体勢)のように丸まるように指示した。そして彼に彼の熱帯林の家のカビと花粉のにおいである、新しいお母さんの甘いにおいを吸い込むように指示した。そして私はかなり詳細にどのように新しいお母さんが彼を近くでとても安全に抱いているかを述べた。私は、これらのカビのようなにおいと、味のお母さんの息や、ミルクや、肌の甘いにおいと香りを強調し続けた。これを進めた結果、彼の症状は急速に改善し、2回のセッションで完全に症状から解放された。ここでの鍵は、幼児に、お母さんの甘い香りを吸い込むという特別な強調とともに抱かれ、愛され、あやされた鮮明な体感を作るのに催眠の言葉を使うことである。この場合、それは熱帯林の香りだった。このように、鼻と肺は、潜在意識レベルにおいて、この匂いは安全であるというメッセージを受け取る。私はどのアレルゲンに対しても症状を和らげるのにこの手法が使えるのではないかと考えている。
私たちは、免疫システムの回復に完全な理想の母親のイメージを利用するが、通常、彼らの本来の親に対する怒りの気持ちを処理したり、もしくは十分良い親ではないために“解雇”したり、する必要はない。クライアントの中には、ほかのセラピーの目的を達成するなかで、本来の親に対する感情を処理する必要がある人もいる。しかし、通常私は、クライアントが彼らの本来の親が単に子供に何が必要かを知らなかったことを理解することを奨励し、神、もしくは天使のお母さんをこの幼児の世話をするために呼び入れる。私はこのプロセスで現在の彼らの母親との関係に影響を与える必要はないと提案する。
あるクライアントが私の理論に彼女の息子は多数のアレルギーがあり、非常に彼を衰弱させていたが、彼はちゃんと保育されていたといって反論した。私は彼女にその保育の状況を検証するよう推奨した。あなたは激しいストレスをためていましたか?あなたはたばこを吸ったり、母乳を有毒にするような薬を使ったりしていましたか?これらのすべてに彼女は“はい”と答えた。だれも母親が、私たちの幼児をそれほど保護しないように見える文明の中で子供のためにベストを尽くすのを責めるべきではない。しかし、デリケートだが、不可欠な私たちとこの母なる地球の安心をつなぐ生化学のコードが切られたとき、すべてのヒーラーはそのつながりを再建しなければならない。
他の食物アレルギーを作り出す特定の要素は母親が、子供に固形食を与えることである。伝統的な文化では、幼児に食べ物を与える前に母親は自分で食べ物をかむ。そうして、お母さんの消化酵素が混ぜられそれが幼児の消化のための道具となる。さらに、母親は我慢強く、幼児を愛し、遊びとして食事を与え、笑と楽しさの両方で満たす。したがって用事は、この食べ物が良いということを学ぶ。幼児の食事の世話を仕事に遅れたり、電話に忙しかったりする母親が、急いで、ストレスのかかった状態で済ませるとき、この子供の消化器系はこの新しい食べ物からどのようなメッセージを受け取ると予想するであろうか。
幸い、催眠下では私たちは幼児期への退行を使い新しい神のお母さんにコーンやピーナッツは安全だということを教えてもらうことができる。そうするのが安全な場合には、プロセスの中で、口の中で味わえるようにクライアントにはアレルギーの原因となる食べ物を持ってきてもらうことを勧める。催眠療法士は、“幻味”を用いて味を作ることもできる。