秋のキーナイ川で釣り | アラスカの自然に囲まれて

アラスカの自然に囲まれて

アラスカ州のアンカレッジは自然がいっぱいで、季節の移り変わりを日々肌で感じる自然に密着したくらしです。このブログでは、ここアラスカでの釣りや山登りなどアウトドアライフを中心に、私の見た事、感じたことなどを独断と偏見で紹介します。

土曜日、天候も比較的よく、水位もさがってきたので、キーナイ川へ鱒釣りに。

友人のF氏と一緒に行きました。

 

忘れ物などで出発が少々遅れて、釣り場到着は10時過ぎ。でも幸い目当ての釣り場はあいているので

二人して目当ての場所に入ることができました。

 

ポイントの通称はラストチャンス。ボートで上流からドリフトしながら釣る人たちにとって、ボートを岸に上げる場所に到着する直前の最後のポイントなので、そんな名前で呼ばれているようです。

 

最初の1時間くらいは、二人とも全くアタリがなく苦労しました。釣り始めから1時間ぐらいで、F氏が1匹釣りその時のビーズの色がルビーのような新しい卵の色ということがわかったので、ビーズを同じ色にかえました。

丁寧にあちこちのポイントをくまなく探るような作戦が功を奏し、この辺からいいサイズのドリーが釣れ始めました。

 

前回の記事では、ビーズの色やサイズを変えるのが鍵のように書きましたが、今回はそれに加えて頻繁な場所の移動の大事さがわかりました。どうも魚のグループは流れてくる鮭の卵を食べながら、頻繁につき場をかえているようです。

 

結局、20匹前後のフックアップで、あげたのが15匹くらい。

その中で大きかったり美形だった魚の写真をそろえました。

 

これが一番の大物で実際に測って57センチのドリー。

 

 

これは顔のアップ。

 

 

 

何度もラインを引き出されました。

 

こちらは一番の美形。

 

 

丸々と太ったきれいなオスです。約52センチ。

 

 

そしてレインボーも。50センチ丁度。8月末に来たときとは違って、どの魚もまるまるとふとってきています。

 

 

お腹もいっぱいのようなので、食いもわるくなってきています。

 

でも、色々工夫すると釣れるし、どの魚も太って元気が良いので大変たのしい。

 

そんな秋のキーナイ川の風景。青空と黄葉。少し肌寒い秋の風。

 

 

川には紅鮭の死骸が増えてきています。

 

 

このオス、死にかけていますが、まだかすかに息があるようで、時々動きます。

浅瀬を横になって流されていきます。

 

だんだんと疲れて眠るようにそれはやってくるのでしょう。

産卵にすべてのエネルギーを使うため、食べ物も食べず、免疫も落ちているため体の表面はカビのようなものが生えています。

 

これでも、川に入った2ヶ月前には銀ピカで元気いっぱい、アザラシの攻撃、漁師の網、釣り人の針をくぐり抜けて、この生まれた場所までもどってきたのでしょう。

 

彼は素晴らしいメスと出会い、無事に子孫を残すことができたでしょうか?

 

死んでも彼の役目はおわりません。彼が苦労して海から運んできた栄養分のつまったこの肉体は、死んだあとこの川の生き物たちをささえていくのでしょう。

 

こうして、生まれ故郷に戻って、一生を終えて土に帰っていく鮭を見ると、少しだけですが

いつかやってくる自分の死も決して悲しいばかりのものではないような気がします。

 

F氏も尻上がりに調子をあげ、なんとなくコツを掴んだようで。二人とも満足で5時ちょっと前に川を上がり帰路につきました。

 

傾いていく太陽に照らされる黄葉が帰りの目の保養。

 

湖では白鳥の家族が休んでいます。

 

 

灰色のは今年生まれた子達。もうすぐ、南へ渡って行くのでしょう。

 

頑張って長い旅と冬を生き延びて、来年のはるまたここに帰ってきてほしいものです。