テレビ放送が終わる。
といっても、正確にはアナログ放送が終わり、デジタルに全面移行するというわけだが、やはり、テレビを見て育った私には、何か「テレビ放送が終わる」という気持ちになる。
ものごごろ付いた頃には、まだ、家にはテレビはなかった。
アパートの大家さんのところにいって放送を見た覚えがある。
そのうちに、我が家にもテレビが来て、見まくる。
(以下、番組を羅列するが、順番は思いつくまま。時代の順序は前後する)
「少年探偵団」「鉄腕アトム(実写)」「月光仮面」「ナショナルキッド」「七色仮面」「アラーの使者」「海底人8823」「マリンコング」「恐怖のミイラ」
アニメは日本製はまだ無く、「ディズニーランド」「飛び出せ!フェリックス」「冒険王クラッチ」「マイティマウス」「トムとジェリー」
海外のドラマも、「87分署」「ルート66」「サーフサイド6」「ヒッチコック劇場」「ミステリーゾーン」など、枚挙に暇がない。
(「鉄人28号・実写版」はなぜかあまり記憶にない。裏番組を見ていたのだろうか)
間もなく待望の「アニメ・鉄腕アトム」が始まり、続いて「鉄人28号」。日本もテレビアニメを制作する時代になっていく。
「狼少年ケン」「風のフジ丸」少女漫画の「魔法使いサリー」まで見るハメになる。
アニメは映画で元々見ていた。
東映動画「シンドバッドの冒険」「わんわん忠臣蔵」などは劇場で、その前にあった「白蛇伝」「安寿と逗子王丸」とかはテレビで放送された。
怪獣映画もテレビに進出する。
「ウルトラQ」である。
「ウルトラマン」「キャプテンウルトラ」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」「マイティジャック」「マグマ大使」、特撮時代劇「妖術武芸帳」なんて言うのもあった。「仮面の忍者赤影」もあった。
子供なのだが、大人のドラマも見ていた。
「七人の刑事」「事件記者」「特別機動捜査隊」「ザ・ガードマン」
今でいうバラエティは、「ザ・ヒットパレード」「夢で逢いましょう」
そういえば当然「おかあさんといっしょ」も見ていた。私の頃の人形劇は「ブーフーウー・三匹の子豚」黒柳徹子とか大山のぶ代が声の出演だった。
そういえば「悪魔くん・実写」「忍者ハットリくん・実写」「ゲゲゲの鬼太郎」などもあるな。「鬼太郎」は「墓場の鬼太郎」から「ゲゲゲの鬼太郎」という題名に変わる際に、水木しげる先生にお会いしたことがある。鬼太郎を見せられて,「これ知ってる?」といわれて「墓場の鬼太郎」と答えていた私がいた。「今度からゲゲゲの鬼太郎っていうんだよ」といわれたのだった。
テレビ番組ではないが、水木しげるの「テレビくん」も、リアルで知り、有人仲間の間では、少年マガジンの増刊号に、何か面白い漫画があるという評判を呼んだ。
ケネディ大統領暗殺もショックだったな。
東京五輪があり、東京の空に、五輪の雲が描かれた。東京の子ども達は、全員、何かしらの試合に招待され、見に行った。私は、なんかよその国がやっていたバレーボールだったかな。
アポロ11号の月着陸も見守った。
ここまでは、白黒テレビ。
我が家がカラーテレビになるのは、結構遅くになってから。見ていたものは、もう何がなんだかわからないが、「帰ってきたウルトラマン」「ミラーマン」とかも見ていた。「仮面ライダー」は、見ていたのはV3までである。
そんなうちに、VHSができた。
革命的である。
テレビ番組が、家で記録できるなんて!
VHSは、最近までS-VHSという形で使っていた。
結婚して子供ができて、そんなにテレビを見ないかというと、まあ見ていたのだろうな。
子供にとっては、テレビの思い出は、光GENJIと「セーラームーン」とか「ポケモン」になる。
おかげで、セーラー戦士の名前やポケモンの名前は全部言えるようになった。
レーザーディスクには手を出さずにいた。
DVDである。
そして、録画がDVDにシフトして行く。
大型テレビが、ソニーのプロフィールのおかげで流行、うちも20インチから29インチにしたときには、でかい!と思った。
D端子とか言っているうちに、37インチのハイビジョン対応テレビ(でもブラウン管)になり、ブルーレイになる。
今机の上で使っているパソコンのモニタは、昔離れてみていたテレビより遥かに大きい。
一億総白痴という批判もあったテレビであるが、見なくてはもったいないところもある。
見てよかったものもあり、どうしようもないものもある。
奇しくも、先頃WOWOWで、思い出の「ウルトラQ」が、すべてハイビジョンにリマスターされて、オンエアされた。
全編デジタルでカラー化したディスクも発売されるが、一編だけ、「宇宙からの贈りもの」(ナメゴン)も放送された。
まあ、モノクロ写真を着色したような感は否めないが、アナログ放送時代を象徴する「ウルトラQ」がデジタル化されたことは、以上のようにテレビを見て育った自分には、感無量な思いだったと言えよう。
今見ると、セットはチンケで、特撮も大したことはないのだが、作り手や演者の気概は、いまだに十分映像から感じられるものだった。
この、クオリティと気持ちを持って、テレビドラマが作られていれば、日本のテレビドラマもアメリカのそれに劣ることは無かったのは、明白である。
しかし、今は、ダメ。
テレビ番組自体が、全然ダメ。
つまり、作り手や演者は、ただ単に「やっているだけ」になってしまった。
テレビ放送は終わる。
はたして、今後、デジタル・テレビ放送が今生きる人々にもたらす幸は、一体なんなのであろうか?
付記
文中にあげなかった思い出の番組
「月曜日の男」「スーパーカー」「海底大戦争」「サンダーバード」「宇宙人ピピ」「チロリン村とくるみの木」「ひょっこりひょうたん島」「宇宙猿人ゴリ」「空中都市008」「サンダーマスク」「ファイヤーマン」「ジャンボーグA」「緊急指令1041010」「秘密のアッコちゃん」「おそ松くん」「ハリスの旋風」「天才バカボン」「巨人の星」「あしたのジョー」「奥様は魔女」「ミスター・エド」「宇宙人フライデイ」「宇宙家族ロビンソン」「アウターリミッツ」「ショック!」「太閤記」「源義経」「大忠臣蔵」「独眼竜正宗」「荒野の素浪人」「必殺仕掛人」「必殺仕置人」「木枯らし紋次郎」「横溝正史シリーズ」「天地茂の明智小五郎シリーズ」他多数(!)
※あげたらきりがないんですよねえ