駐車場の出入口から足を踏み出し、
こわもてカップルの後を追う
警備員のおじいさん。
おじいさんは、
鬼気迫る僕のジェスチャーを振り切り、
こわもてカップルの方へと
どんどん歩みを進めていった。
「どうか素直な不良であってくれ」
僕にはもう、
祈ることくらいしかできなかった。
くだんのカップルが交差点に立った瞬間、
おじいさんは目を泳がせながら小走りになり、
一気に距離を詰めた。
そのとき僕らは
奇跡を目の当たりにすることになる。
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退職の経緯などをまとめた
連載の第一話はこちら
⇒ 第一話(全28話)