悪質なクラスメートによる
いやらしい悪ふざけを受けて、
失意のどん底に突き落とされた僕。
恥ずかしさと悔しさに
こらえきれない涙を流しながらひとり、
家路を急いだ。
さっき告白した思い人が不意にあらわれ
知らない男子と二人乗りの自転車で
僕の目の前をさっそうと過ぎ去っていったのだ。
夕日のかなたに
ゆうぜんと消えゆくアベックの影に、
僕の叫び声が届くことはなかった。
かくして、
「誠意」という独善で僕の心は深手を負ったわけだが、
この傷が大人になってもいまだ癒えないのには
実は深いわけがある。
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