「カシャッ」
間に合わなかった。
先生に内緒で持ち込まれた使い捨てカメラは、
「青春群像」のすぐそばに、
あわれな青年の姿をはっきりととらえたのだ。
このスクープ写真が密かな話題になり、
一部のクラスメートが
僕に優しく接してくれるようになった。
多感な時期とはいえ、
クラスの輪に入れてもらえるのであれば、
それが「お情け」だったとしても
僕はうれしかった。
リア充たちと話すと体がこわばる僕だったが、
彼らには「調子に乗るボッチ」を
受け入れるだけの懐の深さがあったのだ。
だがその優しさにさえ、
一部の悪意ある生徒が「罠」を
しかけてくるのであった。
(11話さかのぼります)
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