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No.181 これから私がやるべきこと part3  
原 田 京 子 ( 児童文学作家 ) 
 先月のコラムで、私は何をするにも目標を設定しなければ気がすまない性格であると書きました。これまでの人生でもいくつもの目標設定をしてきました。
 ・病気のために教師を辞めて文章を書き始めたときの目標 → 本を出版する
 ・子育てにおいて疑問が生じたときの目標 → 大学院で専門知識を習得する
 ・腰椎ヘルニアのリハビリを始めたときの目標 → トライアスロンに挑戦する
 そこで頚椎ヘルニアと変形股関節症のリハビリの目標として、私は「マッスルゲート」への挑戦を決めました。
 マッスルゲートとはゴールドジムが主催するボディビル大会で、JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)登録選手をはじめ誰でも参加できる大会です。
 私が挑戦しようとしているウーマンズレギンスとは、スポーツブラとレギンスを着用して出場するカテゴリーです。服を着た状態でもわかるような筋肉の発達度合い・トレーニングで培われた姿勢の良さ・きれいな立ち姿が審査基準です。
 もちろん、ジムに入会当初はそんな挑戦をしようなどと考えもしないどころか、マッスルゲートのことも知りませんでした。とにかく頚椎ヘルニアの痛み止めの副作用で体重が60kgから64kgまで増えたので、股関節にかかる負担を減らすため、有酸素運動として1日2kmのスイミングを2ヶ月間続けました。その後ジムでの筋力トレーニングに移行し、1年9ヶ月で体重が64kgから54kgに、体脂肪が34%から24%に減りました。
 体脂肪が減り、筋肉が増えてくると、体型が自分でもわかるくらい変わってきます。そして、さらに自分ばかりでなく人からもそのことを指摘されるようになります。そして、それとともに、少しずつ自分の体に対して愛着が増してくるのです。
 20年以上前、腰椎ヘルニアを発症し、そのリハビリの際にはトライアスロンへの挑戦を目標としましたが、さすがに今回それは断念し、別の目標を模索しました。
 そんなとき、ジムのトレーナーからマッスルゲートへの挑戦を提案されたのです。
「私、もうすぐ70才ですよ」というと、「年齢は関係ありません。ぼくがきちんと指導します」とのこと。その時の私は不思議なことに迷うことなく「よろしくお願いします」と答えていました。
 マッスルゲートに挑戦することにまったく不安がないわけではありませんでした。それは、私にできるだろうか? という不安ではなく、人がなんと思うだろうか? という不安でした。いい年をして、あんな格好で人前に出るなんて、そんなふうに思われないだろうかという不安。これまでの人生で、私は自分の体を見せるために大勢の前でステージに立った経験などありません。初めてのそのステージが、70才を前に訪れるなんて。
 しかし、私は考えました。近年、筋トレをして自分の体を美しく鍛え上げる人が増えています。Instagramでも、筋トレをしている人々がその体やトレーニング場面を投稿しているのを頻繁に見かけます。そんな人々が口を揃えて言うのは、
「未知の分野に挑戦することは、新しい自分を見つけることであり、新しい世界が広がることを意味する」と。
 そんな言葉たちを目にしているうちに、私の迷いは少なからず払拭されました。そして、その言葉を投稿した方にお礼のメッセージを送ると、
「きっと挑戦したことでたくさんのものを得られるでしょう。頑張って」。
 そんなエールをいただいたのです。
「いい年をして……」などと思う人は間違いなくマッスルゲートなどの経験があるはずがない、それどころかマッスルゲートの存在さえ知らない人たちでしょう。挑戦する人とそうでない人の間には大きな隔たりがあり、それは雲泥の差であるにちがいありません。それに、やった後悔とやらなかった後悔は、やらなかった後悔のほうが大きいと誰もがいいます。
 挑戦すると決めてからは生活におけるすべてが変わりました。もともと健康オタクで人一倍体や食べるものには気を使っていましたが、その気の使い方が科学的で理論的になりました。そして、体の部分のひとつひとつが愛おしく思え、自分の体を一層大切にするようになったのです。そして、それにつれて体が面白いほど変化していくのです。また、体の変化とともに心も変化していきます。心身ともに進化をしていくのです。
 まさに人間は進化する動物であることを実感しました。もっともっときれいになりたい、すばらしくなりたい、そう思って努力し、成長しようとするのです。
 その進化の過程を、このコラムに少しずつ記録していこうと思います。
著者プロフィール 
原田 京子(はらだ きょうこ)
1956年宮崎県生まれ
大学院修士課程修了(教育心理学専攻)

【著書】
児童文学
『麦原博士の犬語辞典』(岩崎書店)
『麦原博士とボスザル・ソロモン』(岩崎書店)
『アイコはとびたつ』(共著・国土社)
『聖徳太子末裔伝』(文芸社ビジュアルアート)
エッセー
『晴れた日には』(共著・日本文学館)
小説
『プラトニック・ラブレター』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『ちゃんとここにいるよ』(ペンネーム彩木瑠璃・文芸社)
『タイム・イン・ロック』(2014 みやざきの文学「第17回みやざき文学賞」作品集)
『究極の片思い』(2015 みやざきの文学「第18回みやざき文学賞」作品集)
『ソラリアン・ブルー絵の具工房』(2016 みやざきの文学「第19回みやざき文学賞」作品集)
『おひさまがくれた色』(2017みやざきの文学「第20回みやざき文学賞」作品集)
『HINATA Lady』(2018みやざきの文学「第21回みやざき文学賞」作品集)
『四季通り路地裏古書店』(2019みやざきの文学「第22回みやざき文学賞」作品集)




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