トーマス・トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた結果』新潮文庫。
おすすめ度4
難易度1
朝食にトースターで焼き上がった、かりっとしたパン美味しいですね☺️
そんなトースターを僕らはそこらの電気屋で2000、3000円くらいあれば、買えちゃいます( ・∀・)
じゃあ、このトースターを自分でゼロから作ってみたらどうなるでしょう?
えっ、パンは好きだけど、自力でトースターを作る必要はないっしょ( ゚Д゚)
うん。普通、そう思うよ😃
けど、世の中には訳の分からんことを思い付いて、マジで実行するクレイジーなやつがおるんよ( ̄^ ̄)
それが今回紹介する著者な。
写真を見るからにどこか頭のネジ抜けているやろ。
この人、大学院の卒業製作でゼロからトースターを作ることを思い付いて、マジで教授にコントクトとって、必要な材料や製造方法を聞いて、材料を取りに鉱山に行くやろうなんだぜ。
中々、クレイジーやろ。写真はノイダートでマイカを採掘したときのリアルな写真なんやで( ゚Д゚)
まあ、こんな無茶苦茶な挑戦だから、完成したトースターは表紙の惨状の通り。😓
けど、この挑戦は僕らの身の回りにある製品っていかに技術と経済的協力の結晶なんだと気づかせてくれる。
著者の挑戦って、アホだなと思いつつも、自分がやれって言われたら、まず無理って思うと思うぜ(^_^;)(僕はこんな企画はお断りですね( ・ω・))
トースターが何からできてるかなんて普通知らんし、何からできているか分かったところで、材料を加工して製品に仕上げるには一人ではまず無理な知識と技術がいるしね☺️
たとえ、技術的なところをクリアしても、既存の製品レベルのものを作ろうと思ったら、海外から材料輸入しないといかんですしね。
ほんと、グローバルレベルの分業に支えられて、トースター1つもできているんだなと実感してならないです。
アダム・スミスが『国富論』で分業こそが生産力を向上させるんだと述べていますが、それをトースターを通して実感できます。
*分業の素晴らしさをピン作りで説明したのは有名ですね( ・ω・)
十人集まってピン作りを分業したら、一日で四万八千本、つまり一人あたり四千八百本作ることができます。
けれども、もしかれらのすべてが個々別々に独立して働き、またそのだれもがこの特別の仕事のための教育をうけていなかったならば、かれらのおのおのは、一日ニ十本はおろか、おそらくは一本のピンさえもつくれないであろうことはたしかであり、ことばをかえていえば、かれらのおのおのは、そのさまざまの作業の適当な分割や結合の結果として現在おこなえるものの二百四十分の一はおろか、おそらくはその四千八百分の一さえなしえないであろうことはたしかなのである。(アダム・スミス『国富論』)
*アダム・スミスはこちらもおすすめ!
タイトル見るからにおバカ本って感じがするけど、この本読み終わると世界の見方が変わりますね。
目の前にあるペン、スマホ、etc、これら何からできたん、どう作ったんって不思議に思えてくるはず。
おそらくすごい時間と知恵をかけて、できたんだろうなって思うと、普段いかに便利なもんを安い値段で使えるんだと感謝したくなりますよ( ・∀・)