どっどど どどうど どどうど どどう、
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんもふきとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
この印象的な歌で始まるのが、宮沢賢治の『風の又三郎』だ。
*実際に歌っているのがこちら!
ある日小学校に転校生がやってきた。その少年を子供たちは「又三郎」といい、時にからかいながらも親しくした。だが、その転校生は風のようにすぐ去っていった。
これが物語の大まかな筋だ。
にしても、この童話は不思議なことが多い。
まず、冒頭の印象的な歌はなんぞやというところから始まり、九月一日に転校してきた高田三郎なる少年は風の又三郎なのだろうかという根本的な疑問がある。(なんで今日この作品を取り上げたか分かりました?)
他にも、九月三日のストーリがないのはなぜか、など細かいことも含めて謎をあげればきりがない。
この作品の謎に天沢退二郎は『謎解き・風の又三郎』丸善ライブラリーで挑んだ。
賢治の創作メモからどのように作品ができたのか、賢治の他作品のモチーフがどのように今作に活かされているのか、かなり綿密に考察されている。
本書を読んで、風の又三郎という存在をどのように位置づけて読めばいいか、学べたと思う。
不思議な魅力をもった『風の又三郎』の世界を詳しく知りたい人はぜひ読んでいただけたらと思う。
*映画版『風の又三郎』なるものもあるそうです。
こちらは昭和15年版
宮沢賢治の世界を冨田勲が音楽にしたこちらも聞いてみると
いいかと。
イーハトーヴ交響曲
ちなみに初音ミクともコラボしております。